Taeil ページ21
テイル視点
『すみません、悠太くんいませんか？』
宿舎のチャイムが鳴った。
ジャニと頼んで、もう一時間以上待っている夕飯の宅配がとうとう届いたのかと、モニターを確認するとそこにいるのはユタの妹だった。
ユタの妹。
同じグループになるその女の子の名前は知っているけど、気軽に呼んで良いものかと悩んでいて、まだ心の中では『ユタの妹』とこっそり呼んでいる。
実際のところ一滴も血は繋がってないのだと言う。
それでもユタの妹だと皆が言うし、本人達もさほど否定しないのでそう心の中で呼んでいた。
たしか、既に練習生の宿舎からは離れ、マネージャーさんや社員さん達のいるマンションの一室に一人で住んでいたはず。
自炊はするタイプだと誰かから聞いたような気がする。
多分本当なんだろう。
当初は家政婦さんの作ったご飯を食べに来ると聞いていたけど、こっちの宿舎にほとんど来る事はなかった。
と言うか、来たような記憶はない。
そんなユタの妹がどうしてここに？
というか、ユタは今……
「なんだ、Aか」
『……なんだってなんですか』
「う〜ん……A……」
『まあいいや。その声、ジャニさんですよね。悠太くん知りませんか？朝から全然連絡付かないんですけど』
「ユタに何か用だった？」
『え？ああ……スタイリストさんにお菓子を貰ったから分けてあげようと思って』
「ヒョン、お菓子だって」
「お菓子……」
『な、なんですか？』
「とりあえず上がって来たら？」
『嫌です』
「まあまあ、そこにいてもユタには会えないから」
ジャニが満面の笑みでエントランスのドアを開錠すると、なかなかに不審そうな顔をしたユタの妹がカメラを見つめていた。
初めて目が合った気がする。
いや、画面越しだから厳密には合ってはないんだけど……
ちょうどその時にポケットから着信が入り、自分たちの頼んでいた出前の宅配が『キャンセルされました』と無慈悲に告げられてしまった。
その事をジャニに伝えると、大きな声と口で一笑いした後すぐ真剣な表情で「ヒョン、この子はご飯作ってくれるかな？」と聞いてくる。
自分もジャニも特別調理に自信があるわけじゃなく、料理が出来そうな人たちも出払っていた。
という事はつまり、今日の夜ご飯はユタの妹にかかっているらしい。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1558人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
25 - SM所属グループの話見たいです！ (2021年1月1日 3時) (
レス) id: f58940c23e (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ankoさん» やった〜！ありがとうございます！どこまで書けるのか解らんけど頑張ります！ (2020年3月5日 12時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
anko(プロフ) - せのさんが書くお話、どれも好きです！NCTが読めるなんて〜！これからも楽しみにしてます。 (2020年3月5日 11時) (レス) id: 23643689be (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - マさん» わあ〜！前のから見てくださってありがとうございます！これからもゆるく書いていきます〜〜！！ (2020年3月5日 11時) (レス) id: aa0d284841 (このIDを非表示/違反報告)
マ - 番外編を読んでたので、本編？が始まってて本気で嬉しいです！これからもたのしみにしてます！ (2020年3月2日 23時) (レス) id: ea0b23572b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：せの
| 作成日時：2020年2月17日 11時
