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「安室さん。貴方は私が警察官であるということを知って一体何をなさりたいんですか?」

執念深く自分の素性を探ってきた安室。
勿論何かしらの目的はあるはずである。
Aは丁度空いたベンチに腰掛けながら安室を見た。

「いえ、特に何も。ただはっきりさせたかっただけです。明らかに解決できる問題を未解決のまま放置して、モヤモヤした気持ちのまま過ごすのは嫌じゃないですか」

隣に腰を下ろした安室が肩を竦める。
拍子抜けしていないと言えば嘘だ。もっと特別な理由があるのかと思ったが自分が深読みし過ぎてしまっていただけのか。

「完全な職業病ですね」と自分にもモロに跳ね返ってきそうな言葉がポロリと漏れた。

「はは、そうかもしれませんね。
けれど何故自分の正体をそんなにも隠す必要があるのか、その一点がどうしても気になるんです。
同じ立場の人間にまで黙っているのは余程のことだと僕は思いますけど」

「それは“存在しない組織であれ”と言われるゼロに所属する貴方と同じ理由ですよ」

「僕のことをお調べになったんですね」

「自分だけとは思わないことですよ」

「Aさんも隅に置けないお方だ」

「そのお言葉はそっくりそのままお返ししますよ」

「お互い非合法な方法で調べ合ったんですかね」

「さぁどうでしょうかね(私のはまだ合法かなぁ…。降谷さんは完全アウトなのは知ってるけど)」

言葉のラリーを続けている内にAも安室も次第に堅くなっていた表情が柔らいでいた。
もうお互い七割くらいは隠し事をしなくて済む。気持ちがスッキリした事で表情筋も緩んできたのかもしれない。

でも、それは一時。
安室が次弾を仕掛けてきた。

「Aさんの家は警察一家だと風見……お兄さんから以前お聞きしたことがあるのですが、そういった家柄だとAさんが同じ道を歩むことに否定的な人物はいないと思うんです。
けれど、貴方は家族にまで嘘をついている。特殊な部署、であることは伏せていれば分からない事ですが何故職業まで偽るのですか?」

「…………。私の叔父は公安警察官でした。
その叔父は19年前に交通事故で亡くなりましたが、でも、私はその交通事故というのがどうしても引っ掛かっていて……。
何かが違うんです。
判然としてない何かが……。
だから私は、叔父の死の真相を知る為に警察の道を選びました。でも、裕兄ィにも父や母にもその事を言いたくなかった」

「皆で協力してその真相を突き止めるというのでは駄目だったのでしょうか」



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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カリリン - とても、いいお話です! (2022年9月12日 22時) (レス) id: ff3a9a5512 (このIDを非表示/違反報告)
カリリン - 続きが気になります。お願いします。 (2022年9月12日 22時) (レス) @page31 id: ff3a9a5512 (このIDを非表示/違反報告)
笑福(プロフ) - 絵理奈さん» カタツムリより遅い速度で少しずつ進んでおります(--;)仕事が終わると直ぐに眠りこけてしまうので中々執筆出来ない状態が続いており本当に申し訳ないです……。 (2019年9月5日 0時) (レス) id: 21be2ba57f (このIDを非表示/違反報告)
絵理奈(プロフ) - お話まだ進まないですか? (2019年9月4日 8時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
笑福(プロフ) - (名前)りんくらさん» 書き直しが一応完了したのでお知らせします(*^^*) (2019年4月11日 3時) (レス) id: ee011761e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笑福 | 作成日時:2018年11月24日 0時

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