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(ひとまず、この場を離れた方がよさそうかなっ……)
八朔日が大勢の中からAの存在に気付くことはないであろうが退避するに越したことはない。
あの人も自分と同じで直ぐに態度に出る、隠し事が出来ないタイプの人だ。発見されたら手でも振ってきそうで気が気じゃない。
「あの兄ちゃんカッコイイなぁ。身長高くてスラッとしててよ。俺もあんな風になれねぇかなぁ」
抜き足差し足忍び足で去ろうとしたAの斜め前にいた元太が腹をさすりながら小さく呟いた。
確かに八朔日は182cmの高身長。筋肉も程々についてバランスの良い逆三角形を描いているので理想的なモデル体型と言えるだろう。しかし、あの人は36歳なので兄ちゃん呼ばわりはキツイ。
元太は現在は丸っこいが、運動部などに入って身体を鍛えたり、トレーニング諸々を十分にこなせば八朔日のような体型になれる日は恐らく来るはずだ。断言はしないが。
「相当鍛えてますね、あの人」
真横の安室はボソボソ「あそこの筋肉はあのトレーニングで鍛えて……。あそこは……あぁ、腕立て伏せを……」と筋肉分析を行っていた。身体鍛えるの好きなんだろうなと思う。
Aも筋トレは嫌いじゃない。寧ろ好き。
だが、やり過ぎると可愛い体型じゃなくなる──今みたいに。鳩宿や松島にはゴリラ女と言われる始末だ。
と言うか、退散の瞬間を元太と安室と自分の思考のせいで逃してしまった。否、まだ大丈夫。気付かれてない筈。
「あれ、あんな所に知……」
「!!」
八朔日のそんな声と同時に驚く速さでAは右手で降谷の手を握り、子供達に声を掛けて方向転換した。
「急にどうしたんです!?」
「いや、そう言えば署内見学の集合時間が差し迫ってるなと！なので急いだ方がいいかと思いまして!!」
腕時計の時間を見て、あぁ成程と安室も納得したらしい。スタンプラリーの最中に署内見学の申込みをしており、グットタイミングでその集合時間が迫っていたのだ。
いやはや危機一髪。あれは確実に八朔日がAに気付いた瞬間だったと思う。もし違っていたとしてもあの場から立ち去ることが出来たのだ。好都合だったと言えよう。
若干、Aの不自然な行動を訝しんでいたものの皆素直についてきてくれた。少し歩くと光彦が話題を持ち出してくれた。
「たしか東都湾岸警察署って、前身は東都水上警察署だったんですよね。警視庁で唯一、舟艇課……水上安全課を保有しているとか」
「そうね。ひめゆり、ふじ、しおかぜ……その他多数の警備艇を有していて京浜港周辺や近くの河川、荒川とか隅田川とかの警備警邏をしてるのが水上安全課よ」
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カリリン - とても、いいお話です！ (2022年9月12日 22時) (
レス) id: ff3a9a5512 (このIDを非表示/違反報告)
カリリン - 続きが気になります。お願いします。 (2022年9月12日 22時) (レス) @page31 id: ff3a9a5512 (このIDを非表示/違反報告)
笑福(プロフ) - 絵理奈さん» カタツムリより遅い速度で少しずつ進んでおります(--;)仕事が終わると直ぐに眠りこけてしまうので中々執筆出来ない状態が続いており本当に申し訳ないです……。 (2019年9月5日 0時) (レス) id: 21be2ba57f (このIDを非表示/違反報告)
絵理奈(プロフ) - お話まだ進まないですか？ (2019年9月4日 8時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
笑福(プロフ) - (名前)りんくらさん» 書き直しが一応完了したのでお知らせします(*^^*) (2019年4月11日 3時) (レス) id: ee011761e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：笑福 | 作成日時：2018年11月24日 0時
