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私が所轄時代。ある強盗殺人の地取り捜査の時に、学生時代仲の良かった女友達に偶然鉢合わせたことがあった。
勿論、警察だと言うことは言い触らさないよう口止めはしたけれど、案の定後になって呼び出されて質問攻めにされた。
何で警察の道を選んだの？
ご家族が警察官だから？
叔父さんの例の事故と関係ある？
一度気になったら答えに辿り着くまで追求してくる子で、ある意味刑事向きな友達だった。
女の子なんだからもっとこう、パティシエとかデザイナーとかそれらしい職業の道を選ぶことだってできたじゃない。
Aは才色兼備ってやつなんだから、女だったら一度は憧れるキャビンアテンダントだって狙えたのに、ねぇどうして？
どうして、と言われても……。
友達にはバレない程度に適当な言葉ではぐらかした。
まあでも殆ど彼女の推測通り家族が、と言うかお家が警察一家だからってこともあった。物心着いた頃からカッコイイと思っていた。
凶悪事件に立ち向かう刑事である父と叔父。
街の安全を見守る交通課婦警である母。
それにならって、国の安全を守る兄。
私もこの憧れの人達のようになりたい。
この国と国民の平和を築いていきたい。
大切な人を守れるように強い自分でありたい。
それにそう、叔父さんの事もあった。
小さかった当初は事故だと思い込んでいたけど、成長するにつれて事故じゃない事件だって思えてきて。その真相を突き止めたかった。
もう一つ、
『僕はこの国を守るんだ。この国が好きだから。いつまでも平和であって欲しいから』
思い出せない誰かがいつかこう言っていた。
私には一年程の記憶がポッカリと抜けているんだけど、ごく稀に断片的に思い出すことがある。今までに片手で数えられるくらいしかないけどね。
単純にその言葉に感化された部分もあった。誰の言葉か分からないけどとても素敵だなって。
「…………」
まだ互いが理解し合える程長い時間を過ごした訳じゃない。でも、何となくこの人はそんな言葉を胸を張って言いそうだなと思う。
クイズを解く子供達と笑い合う安室透を見て、Aは思い耽っていた。
「Aさん、残り一問でラストです。先程の問題も子供達には難易度が高めだったので大人の自分達も一緒に考えてあげないと……って、Aさん？」
ふにゅっと頬をつつかれる。
「!? 安室さん、何ですかっ」
「いえ……どこか遠い世界に意識が飛んで行っているなと」
「ごめんなさい。少し考え事してて」
「謝ることありませんよ」
子供達が目の前を駆けていく。
安室はAに笑みを向け歩き出した。
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カリリン - とても、いいお話です！ (2022年9月12日 22時) (
レス) id: ff3a9a5512 (このIDを非表示/違反報告)
カリリン - 続きが気になります。お願いします。 (2022年9月12日 22時) (レス) @page31 id: ff3a9a5512 (このIDを非表示/違反報告)
笑福(プロフ) - 絵理奈さん» カタツムリより遅い速度で少しずつ進んでおります(--;)仕事が終わると直ぐに眠りこけてしまうので中々執筆出来ない状態が続いており本当に申し訳ないです……。 (2019年9月5日 0時) (レス) id: 21be2ba57f (このIDを非表示/違反報告)
絵理奈(プロフ) - お話まだ進まないですか？ (2019年9月4日 8時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
笑福(プロフ) - (名前)りんくらさん» 書き直しが一応完了したのでお知らせします(*^^*) (2019年4月11日 3時) (レス) id: ee011761e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：笑福 | 作成日時：2018年11月24日 0時
