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兄さん ページ5
焦凍、焦凍。
常に自分より前に進んで手を引く双子の兄が羨ましかった。
親父の教育を受けているようには見受けることはできなかった。しかし自分より常に先にいた
体力テストも、どんなテストも常に一位。全国的に行われるものだってそうだった。
他人からの評価も優れており、他者を思いやることができるとても優しい子だと皆声を揃えてそう言うのだ。
俺自身も双子の兄によく悩みを聞いてもらっていた。他の家族にも言わないような事までも全部。
双子の兄は弱音を吐かなかった。
誰にも悩みを言わなかった。双子の弟である俺にも言わなかった。
家族の誰とも髪色が違う事など辛いことは散々あっただろうに。
そこが気味の悪いところだった。
なぜ誰にも頼らない。なぜ誰にも助けを求めない。なぜ俺に話してくれない？
だから気味の悪いお前にはこう言ってやろう
「俺はお前が嫌いだ」
頼むから見透かしたような目で俺を見ないでくれ。
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