入学初日の乱闘騒ぎ ページ9
『ふぅ…これで最後かな』
入学式の後片付けも終わりに差し掛かった頃
「中庭で首席と特待生が殺し合いしてるんだって！」
「面白そう！どっちが先に死ぬかな？」
そんな物騒な会話が聞こえてきた。
どうやら入学式の挨拶を横取りされたアリスくんが入間くんに決闘を挑んだらしい。
『…いやいや、流石に入学初日に生徒を殺させる訳にはいかないでしょう。いや、初日じゃなくともダメだけれども』
片付けを切り上げ私は中庭に向かう。
アスモデウス家は礼儀を重んじる家系だ、先の挨拶を侮辱と捉えたなら問答無用で襲いに掛かるだろう。
(死んでくれるなよ、二人とも)
……と、急ぎ中庭に来たけれども心配は杞憂に終わった様だ。
そこで私が目にしたのは、それはそれは見事な
”ジャーマンスープレックス“だった。
どうやら今しがた、決闘に勝敗が着いたらしい。
十分催しものを堪能したギャラリー達は興奮冷めやらぬまま中庭を後にしていく。
そんな中、流れに逆らう様に私は中央で困惑し、佇む入間くんに近付き声を掛ける。
入間「ええっと、どうしたら…」
『大丈夫かい？とりあえず彼…アリスくんを医務室に運ぼうか。手伝うよ』
入間「あ、ありがとうございます…貴方は…？」
『私はアスタロト・アルヴィス、バビルスの教員さ』
入間「アルヴィス先生ですね！…すいません手伝ってもらって」
きちんとこちらに頭を下げる入間くんは、やはり印象通りのとても良い子なのだろう。
『謝ることはないよ。これも教師の役目だ…それに君は悪くないさ、決闘を持ち掛けたのはアリスくんの方なのだろう？』
入間「え！なんで知ってるんですか？！」
私の発言に驚きコロコロと表情を変える入間くん。その素直な姿に、つい笑みが零れる。
『私の家系能力【千里眼】で決闘が起こる前の過去を見たのさ。私の力は過去や未来、他人の心も見ることが出来てね』
入間「へぇ…！スゴいですね！」
『ふふ、ありがとう…あぁ、アリスくんを運ぶ前に君にもケガが無いか確認するよ』
そう言い、私はその場で入間くんをクルクルと数回ゆっくり回転させてみた。
『ふむ、どこもケガは無いみたいで良かったよ…ん？』
入間「え？どうかしましたか？」
『…いや、何でもないよ。さぁ、早くアリスくんを運ぼうか』
……見間違い？
いや、違う。
私は確かに気付いてしまった
入間くんの耳が尖っていない事に───
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nenene826(プロフ) - トルテさん» コメントありがとうございます！作中では出してないのですが設定としては何匹か使役しており、そのうちの一体にグリフォン等がいますね！ (2022年11月5日 7時) (
レス) id: 96de854a85 (このIDを非表示/違反報告)
トルテ(プロフ) - とっても面白いです！更新楽しみにしてます！夢主の使い魔って決まってますか？ (2022年11月5日 7時) (レス) id: 7cb7ad9413 (このIDを非表示/違反報告)
nenene826(プロフ) - めいですさん» 面白いとのコメント励みになります！！ 主人公とカルエゴ先生は同じクラスだったので、音楽祭は競い合うというよりも協力して乗り越えた感じが強いので、敢えて書きませんでした！ ご指摘ありがとうございます〜 (2022年1月4日 0時) (レス) id: 96de854a85 (このIDを非表示/違反報告)
めいです - 面白いです！ あと43ページの行事なのですが、収穫祭の後に続く音楽祭を忘れてますよ？(笑) (2022年1月3日 21時) (レス) @page43 id: c433abd432 (このIDを非表示/違反報告)
nenene826(プロフ) - かなぶんさん» ありがとうございます！！不定期更新なのでなかなか投稿出来ずすみません(´TωT`) そういってくださるとやる気もモチベも湧いてきます！頑張って続き書きますね！ (2021年8月9日 9時) (レス) id: 96de854a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nenene826 | 作成日時：2020年3月11日 2時
