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彼等の子守歌とノリのお陰で指輪の騒音が少し緩んだ隙に、後ろ手でス魔ホを操り、ある人物へ電話を掛ける。
数秒の後、コールが響くと、ワンコールで電話を切るのは失礼だと思いながらもあの人ならこれで意図を汲んでくれるだろうと一息付く。
コール音は彼等の大騒ぎする声で掻き消され、この場の誰にも届いていない事を確認し、ひとまずはこれで良いだろうと、入間くん達の元へ向かった。
サブロ「よし!
入間「で、でも危ないんじゃ」
サブロ「こんな黒煙引っこ抜いてやるわ!」
そう言い切り、サブロくんは指輪の化身に触れようとするも先手を打たれ鼻先を触られ膝から崩れ落ちる。
入間「さ、サブノックくんーー!」
アズ「何をやっているのだ…入間様!ここは私にお任せ──」
そしてまた、アリスくんも言葉を言い終わる前に相手に触れられ、背中から床に突っ伏す事になる。
入間「デジャブ!!」
『気を付けた方が良い、その指輪は周りの悪魔の魔力を吸い取るモノでね。アリスくんとサブロくんの魔力を奪って尚、満ち足りないとは』
2人の魔力量を合わせれば或いは、と思ったが、指輪の飢えを凌ぐには程遠いと知る。
これは私かカルエゴくんが直接魔力を込めるしか無さそうだと判断し、入間くんにこちらへ来る様声を掛ける。
入間「で、でもアルヴィス先生が危険じゃ…」
カルエゴ「魔力を吸い取る…?おい入間、私にも見せ──」
私と並び、彼が指輪に触れようとした時──
酷く、背筋に冷たいものが走る。
私とカルエゴくんは脊髄反射で、咄嗟に腕を引っ込めていた。
入間「せ、先生?大丈夫ですか?」
ゾクリとした嫌な感覚はまだ鮮明に残っていて、私はカルエゴくんの腕をゆっくりと眺める。
『……腕、動くかい?』
カルエゴ「…あぁ」
幻覚ではない。
今、確かにカルエゴくんが威嚇された。
何故私は許されたのかは分からないが、はっきりと2人して見えたのは、カルエゴくんの腕が切り落とされる光景。
あれは、あと数秒経っていたらこうなっていたぞ、という警告の未来。
そして、恐ろしい事に、この指輪にはそれを成せるだけの力があるということ。
カルエゴ「…なるほど」
この未知数で強大な力を前に彼が取る行動はひとつ。
粛正対象だ、とボソリと呟き、カルエゴくんは腕を振り上げる。
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nenene826(プロフ) - トルテさん» コメントありがとうございます!作中では出してないのですが設定としては何匹か使役しており、そのうちの一体にグリフォン等がいますね! (2022年11月5日 7時) (レス) id: 96de854a85 (このIDを非表示/違反報告)
トルテ(プロフ) - とっても面白いです!更新楽しみにしてます!夢主の使い魔って決まってますか? (2022年11月5日 7時) (レス) id: 7cb7ad9413 (このIDを非表示/違反報告)
nenene826(プロフ) - めいですさん» 面白いとのコメント励みになります!! 主人公とカルエゴ先生は同じクラスだったので、音楽祭は競い合うというよりも協力して乗り越えた感じが強いので、敢えて書きませんでした! ご指摘ありがとうございます〜 (2022年1月4日 0時) (レス) id: 96de854a85 (このIDを非表示/違反報告)
めいです - 面白いです! あと43ページの行事なのですが、収穫祭の後に続く音楽祭を忘れてますよ?(笑) (2022年1月3日 21時) (レス) @page43 id: c433abd432 (このIDを非表示/違反報告)
nenene826(プロフ) - かなぶんさん» ありがとうございます!!不定期更新なのでなかなか投稿出来ずすみません(´TωT`) そういってくださるとやる気もモチベも湧いてきます!頑張って続き書きますね! (2021年8月9日 9時) (レス) id: 96de854a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nenene826 | 作成日時:2020年3月11日 2時