問題児クラス副担任、参るとしようか。【ナベリウス・カルエゴ】

〃 ページ46

『1年で4(ダレス)、これもキミが培ってきた日々の研鑽の賜物だろう。これからもこの調子で高位階(ハイランク)を目指して欲しい』



にこりと笑い、おめでとうと伝えると、彼は丁寧に頭を下げ、「これからも精進していきます」と告げる。




カルエゴ「…アイツ、俺とお前で態度が違わないか」




『ふむ、おそらく入間くんへの対応の差が原因じゃないかい？』




入間くんが絡まなければ、基本的にアリスくんは品行方正で礼節を重んじる悪魔だ。

カルエゴくんが入間くんをぞんざいに扱った為、敵対視されているのかも知れない。




カルエゴ「…ハァ」




その事を告げると心底面倒くさそうに額に手を当てるカルエゴくん。担当初日で既に彼のストレス値は相当なモノらしい。




危険と判断されていた金煎の谷に向かった生徒が出た挙げ句、その長と和解しゴール地点まで運ばせた生徒が自分の担当クラスから出れば頭痛もするだろう。





『頭痛薬と胃薬でも作ってこようか？』



カルエゴ「…頼めるか」




ん、任された。と返答し、早速帰り次第作り始める薬の製造方法を頭の片隅で展開しつつ、位階(ランク)発表を次の生徒へ進める。



カルエゴ「次、アンドロ・M・ジャズ！」



ジャズ「はいよっと」




軽く袋鳥(ふくろう)から取り出したジャズくんの手には、3(ギメル)が描かれたバッジが輝いていた。




カルエゴ「…アスモデウスは妥当として、他も意外と悪くない」




その言葉の通り、ジャズくんを始めとする他の生徒達の中には3(ギメル)や2(ベト)を取得した者も数人存在しており、彼等が問題児でありながらも高い潜在能力を秘めている事を示していた。




それは奔放な彼女も例外ではなく、クララちゃんは嬉しそうに受け取ったばかりの3(ギメル)のバッジをグルグルと振り回していた。



アズ「待て待て待て待て！何故貴様が3(ギメル)なのだおかしいだろう！」




クララ「控えおろう！」




アリス「私の方が高位階(ハイランク)だバカモノ！」




カルエゴ「レース2位だからな。運も実力のうちか」




騒ぐ2人を見ながらカルエゴくんは冷静にリストに評価を書き込んでいく。
その間に私はサブロくんに袋鳥に手を入れるよう促した。

〃→←位階の発表

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す