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『…タイミングが悪いと言うか、なんと言うか』
勤務復帰早々に自分を不調たらしめた原因と邂逅したのだ。彼の顔がみるみる青ざめていくのも仕方がない事だろう。
入間「あれ、アルヴィス先生と……カルエゴ先生!?」
入間「お体はもう大丈夫なんですか!?」
カルエゴ「貴様にだけは心配されたくないわ!」
カルエゴくんは、入間くんの善意と申し訳無さが混じり合ったような心配を一蹴すると、
その顔に悪魔特有の尖った爪を近付け──
カルエゴ「良いか入間!私は貴様の使い魔などには成り下がらん。私に枷を付けたぐらいで良い気になるなよ!」
もし私を飼い慣らしたつもりならその喉元を噛み千切ってやる、と怒りの形相で睨み付ける。
カルエゴ「大体貴様らは一体何を騒いで…」
すると本来の目的を思い出したのだろう、
周囲を見渡すと、入間くんの近くにいる一人の女生徒が目に入った様だ。
カルエゴ「…アルヴィス。これはなんだ」
『あぁ、彼女はウァラク───』
カルエゴくんにとっては見覚えがない生徒であろうクララちゃんを紹介しようとすると──
クララ「私クララ!あのね!私が売店にドーンしたら怒られてね!でもアズアズがお菓子くれたの!エギー先生チョコ好き?ポケット入れとくね!」
私の言葉を待たず、クララちゃんがカルエゴくんに飛び付き、自己紹介(?)を始める。
ここまで彼を恐れない生徒もなかなか居ない、と私は少し感心してしまう程だ。
しかし、彼女はカルエゴくんの一番苦手とするタイプだと言うことを、私は長年の経験で悟っていた。
カルエゴ「帰る。後は任せた」
『ん、分かった。職員室で少し休んでくるといいよ』
やはりクララちゃんにこれ以上絡まれたくないのだろう。
心なしか、先程より顔色を悪くしたカルエゴくんが後始末を私に任せ、早々に職員室に戻ろうとした時──
クララ「エギー先生、入間ちの使い魔ってホント?」
クララちゃんは容赦なく、
彼の今一番触れられたくない内容を笑顔で言ってのけたのだ。
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nenene826(プロフ) - トルテさん» コメントありがとうございます!作中では出してないのですが設定としては何匹か使役しており、そのうちの一体にグリフォン等がいますね! (2022年11月5日 7時) (レス) id: 96de854a85 (このIDを非表示/違反報告)
トルテ(プロフ) - とっても面白いです!更新楽しみにしてます!夢主の使い魔って決まってますか? (2022年11月5日 7時) (レス) id: 7cb7ad9413 (このIDを非表示/違反報告)
nenene826(プロフ) - めいですさん» 面白いとのコメント励みになります!! 主人公とカルエゴ先生は同じクラスだったので、音楽祭は競い合うというよりも協力して乗り越えた感じが強いので、敢えて書きませんでした! ご指摘ありがとうございます〜 (2022年1月4日 0時) (レス) id: 96de854a85 (このIDを非表示/違反報告)
めいです - 面白いです! あと43ページの行事なのですが、収穫祭の後に続く音楽祭を忘れてますよ?(笑) (2022年1月3日 21時) (レス) @page43 id: c433abd432 (このIDを非表示/違反報告)
nenene826(プロフ) - かなぶんさん» ありがとうございます!!不定期更新なのでなかなか投稿出来ずすみません(´TωT`) そういってくださるとやる気もモチベも湧いてきます!頑張って続き書きますね! (2021年8月9日 9時) (レス) id: 96de854a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nenene826 | 作成日時:2020年3月11日 2時