【名探偵コナン】美しき人形は黒に染まる【ジン / 安室透 / 赤井秀一】

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『 ベル置いてきちゃったけどよかったの？ 』

「 構いやしねえ 、それより早く帰るぞ 」


そう言ってわたしの腕を引いて 、いつもよりも速いペースで歩くジン 。

どうしたんだろう…
何か急ぎの用事でもあったのかな？
それなら誘わない方が良かったかも…なんて罪悪感を感じていると 、「 A 」とわたしを呼ぶ大好きな低い声 。


『 なあに？ 』

「 もう待てねえ 」


何のことか分からなかったけど 、ジンの向かう先にある建物を見て理解した 。
ホテルかあ… なんか久しぶりかも 。

一概にホテルとは言っても 、ジンが所謂ラブホテルなんて所には行くはずもなくて 。
目の前に聳え立つのは 、高層ホテル 。
多分朝まで篭るつもりだろうな…

そんなことを呑気に考えながらも 、先程のフィッティングルームでの一件を思い出し目の前がクラクラする 。
だって 、あんな明るいところで…ね？
普段は薄暗いジンの部屋だし…


けど 、彼が任務のために早く帰ろうとしていたのではなくて少し安心した 。
ジンの邪魔はしたくない 。
それだけがわたしの信念だから 。


ホテルの前の信号を渡り切り 、建物の中に入ろうとした時だった 。


「 おや？ジン…とベレッタじゃありませんか 」


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