ラブリルブラ (ページ5)

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そのまま3年生になってもまたまた同じクラス。
2年の時と変わらずAはクラス委員になり、テスト前にAが赤点回避用にまとめてくれたノートを貰う関係だった。

テスト前の放課後、教室に俺とAの2人きり。
レッスンのない日はAや他の人とゲームしたり、テスト前なら勉強を教えてもらうと考えた時に、Aから色々と貰いすぎていて寧ろ負担じゃないかと思った。

樹「天野、毎回大変じゃね？」

『そんなことないよ！このノート作りながら自分も分からないところとかわかるし…』

樹「ならいいんだけどさ……」

『そういや田中は高校どうするの？』

樹「俺は堀越に通うから東京だけど…天野は？」

『お兄ちゃんよりは賢いところかなぁ……あ、てか聞きたいんだけど田中って声だけで表現することとかってある？』

樹「んーあんまりないけどなんで？」

『みんなには内緒にしてて欲しいんだけど、お兄ちゃんゲーム実況してる手伝いで私もたまに出てるんだけど難しいなぁって』

樹「えっ？！なにそれ！！いつから？」

『多分去年の末くらいかな？お兄ちゃんが声だけでいいからっていうし……』

その時にたまたまゲーム実況を始めたことを初めて知った。
俺にとっては未知の世界すぎて分からないけど、顔も出さずにゲームってどんな感じかを伝えるのってそれはそれですごいんだけど

樹「俺そんなことした事ねぇからなぁ……まだJrだからやった事ないな」

『だよねぇ〜ゲーム実況自体はまだ浸透してないから余計に分かんなくて』

樹「でも天野もなんていうの？結構いい声だと思うから気にしなくていいと思うけどなぁ」

『えっ、そうなの？ならそうする』

それでその話は終わった。
A自身もクラスの誰にもゲーム実況については話をしていなかったみたいだから俺も誰にも言わないでおいた。

そんな関係は中学卒業まで続いた。
俺は堀越に、Aは近くでもそこそこ賢い公立高校に入学することが決まった。お互い合格が決まった際は報告しあった。

『高校は別だけどゲームはしようね』

樹「おう！」

中学生の頃はAといる時かすこし落ち着くような、香水で言うとレモングラスのような、そんな時間だった。