最後の恋 2 Yuzuru.K

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Your side





「ただいま、お姉ちゃん」




とりあえず、なんていったらいいか


分からなかったから


そんな、場違いな言葉を発したのに




お姉ちゃんは嗚咽しながら



「おかっ、えり、」




とぐちゃぐちゃな顔で必死に笑顔を作ってくれた。




ぬくぬくした布団から抜け出して


冷たい床に足をつける。




お姉ちゃんは泣きながら私を

ぎゅっと抱き締めた。





お姉ちゃんも私と同じくらい

追い詰められていたんだ。




「ごめんね、Aっ」




泣きながらの謝罪に


その背中をポンポンと叩きながら


「もう、いいよ」




と笑う。





その謝罪の意味はきっといろんな意味が

含まれているって手に取るように分かるから。






私を傷つけて "ごめんね"


河井さんを好きになって"ごめんね"



それからもっと違う意味の"ごめんね"が

あるかもしれないけど


私にわかるのはその二つ。





思い合うふたりを別れさせようと思わないし


邪魔したいとも思わない。




だから"もういいよ"としか言えない。




「ここじゃ寒いからもう入って」




お姉ちゃんを部屋の中に入れてドアを閉める。




"もういいよ"とは言えたけど


自分から突っ込んで聞けるほど

まだ立ち直れてないから。

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