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「絶景だァ！潜水艦でもこんなワイドな窓はつけられねェもんなぁ」
「沈んでくぞ！どんどんどんどん！ホントに水入んねぇのか！？」
「俺は一度みた」
「乗り間違えた船でなァ！！！」
感動したり不安になったり様々な顔を見せる面々とは別で
少し前から一人暗い顔をしているA
その様子に気付いたナミが声をかける
「ねぇ、ちょっと大丈夫？」
「え、ええ、ちょっと驚いたりで疲れたみたい・・・少しお船の中を見たりしてきてもいいかしら？」
「もちろんよ、無理しないでよね」
「ふふ、ありがとうナミちゃん」
そう言って船の中へと入っていくA
一人だけ後を追う者がいた
「・・・っ」
怒っているのとは違う、嫉妬？それも違う
思い出してしまった、忘れていた感覚をきっとこれは"怖い"んだ
「もう・・・ひとりは・・・っ」
部屋の隅で声を押し殺して泣くAの横にドサリと誰かが座る
それに驚き顔をあげようとしたがそれは叶わなかった
「やっぱあん時つれていきゃーよかったな」
頭を軽く押さえつけるように彼の一番大事な帽子を私に被せた
誰にもバレないように誰にも涙が見えないように
「Aぐらい守るつもりだったしよ、でもおめーの事だから信じたんだよ俺」
「うん・・・」
「でも、やっぱ嘘だったな！おめー自分の事になるとすぐ嘘つくからよ！俺もうおめーの言う事信じねえ事にしたんだ！」
「・・・え？」
「だってよ、あん時本当は一緒に来たかったんだろ？」
＿＿＿＿
「Aも一緒にいこう！な！俺が守るからよ！」
「ううん、私は待ってる、私は弱いから、待つのは得意よ！だからルフィ君が海賊王になるのを信じて待ってるよ。だから迎えに来て」
＿＿＿＿
「ちが・・・あれは嘘じゃなっ！」
「じゃあなんであん時と同じ顔してんだ」
「それは・・・」
あの時の感覚、足手まといになんてなりたくなかった、彼の未来を潰したくなんてなかった
だけど女帝さんとの仲や、薄っぺらな紙でしか見なかった彼とは違う彼を見た時
パパとママが私を置いて行ったあの日とどうしても重なった
『 おいていかないで 』
昔、村の人達から言われた、「Aちゃんは本当にいい子だなぁ」「こんなに幼いのに本当！いい子だわ」
いい子、私はいい子でいなきゃいけない
だからパパとママはいなくなったんだ、私がいい子じゃなかったから
いい子にして、村の人達に居場所を貰って
一番大好きな彼の傍に居場所を貰いたかった、だから邪魔にならないようにと
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作者名：ねんねこ | 作成日時：2023年3月23日 22時
