隣人関係から始まりました【北信介】

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「カバーカバー！！」


ベンチから聞こえた通り、七桜先輩のドリブルで1人抜かれ、私はカバーに入った



それを待ってたかの様に私のマークマンにパスを出した


そして3P(スリーポイント)を打った



だが、タイミングが合わなかったのかシュートフォームが少し崩れていた



(ラッキー……右にズレた)



「「アウト！！」」



私は即座に七桜先輩を背中で抑え、ボールの落下地点を予測し、その地点へと移動する



予測は当たり、ジャンプしてボールを取った



そして自分達の攻める方向を向いた



(オールコートマンツーに変えてきたか)



1Q(クォーター)は2-3(ツースリー)ゾーンディフェンスだった



マンツーに変えてきたのは私に簡単に3P(スリーポイント)を打たせない様にする為だろう



「すまんなぁ、念には念を入れなアカンのよ」



私の考えている事に答える様に七桜先輩は言った



「なら振り切るまでです」



ニッコリ笑顔と一緒にドリブルをつき始める



「おお怖っ」




……………





試合結果は52対51で私達1年生が僅差で勝った



挨拶が終わり、すぐに他の1年に飛び付かれ危うく首を持って行かれそうになった



「Aちゃん凄いなぁ！？
アンタ本物の鋼鉄メンタルの持ち主やわ
最後よく懸けに出たなぁ」



最後の出来事とは残り8秒で先輩に2点離されたのだが、3P(スリーポイント)ライン2m手前から思い切ってリングに向かって投げ、運良く綺麗に入ったのだ



「アレ狙った訳じゃ無くて最後の悪あがきをしたらたまたま入った」



正直1番入れた私がビビりましたし



「運も実力の内ってよく言うやろ」



「そんな過大評価しないで
今後期待されても中々応えられないから」



私は乾いた笑みを浮かべた



「Aちゃん！！監督が呼んどる」



「ごめん、話はまた後でな」



そう言い残して監督の方へと走った



「さっきの試合じっくり見させて貰ったで
実力はあるが……」



「体力ですよね」



「……自覚あったか
最後のプレーはガス欠からきたんやろ」



「はい」



「実力の方は文句無しだったで
しっかり周りにも指示出来てたしな
まぁバスケには終わりなんてモンは無い
『シン』が今持っとるモンを極めればええと思うわ」



「はい……ありがとうございました」

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