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「ごちそうさん」
手を合わせてそう言った信介
残さずに完食してくれて私は少しホッとした
「1番美味いんはばあちゃんのやけど
2番目に美味かった」
「まぁ、それが当たり前だから2番手で満足しておく」
そこらの店のより美味いって信介に言わせたのだから私は満足度でした
……………
そしてその日から柳田千草と顔を合わせる事は無くなった
同じ学年なので、たまに廊下ですれ違ったりした
けれどその時は隣に信介が居てくれたので怯える事無く過ごせた
……のだが、また新たな問題も発生した
「Aちゃんと北君て付き合ってる？」
「えっと……付き合ってないよ」
そんな事をしょっちゅうクラスメイトに聞かれるようになった
最近信介と一緒に居過ぎるせいか勘違いされてしまっている
泣きながら聞いてくる女子もいて、その時は本当に困った
仲の良い友達にその事を言えば
「良いじゃん、信介とお似合いやない
私には結婚した後のアンタ等の生活まで見えるわ
絶対良え子供出来るよなぁ」
と冷やかされた
「……周りからはそう見えるんかなぁ」
正直今までバスケ一途だった事から恋愛なんて興味無かった
たまに他校の男バスから話掛けられた時はあったものの、私のファンがその男達を追い払った事があった気がする
別に恋愛に鈍感な訳では無い
誰が誰に好意を持っているだとかは案外分かる
ファンもそうだ
単純に私のプレーだけを褒めてくれるファンも居るが、大半は私自身に好意を持っている
柳田千草もその一人に過ぎなかった
……本当に恋愛とは、好意とは一体何なのだろうか
「……い、おい」
肩を叩かれている事に気が付き、後ろを振り返った
「おっ、信介か……」
教科書とノート、筆記用具を持った信介がいた
「次移動教室やで
お前だけ準備しとらんから声掛けた」
「ありがとう、考え事してたらいつの間にかボーッとしてた」
「暑さで頭やられたんか？」
信介の発言と同時に蝉が鳴き始めた
「そうかもね」
春という季節は過ぎたけど、君はこんな噂を立てられる程ずっと隣に居てくれた
君の隣に居れるのはあとどのくらいだろう
そう考えると少し嬉しくて少し切ない
この気持ちは何なのだろうか
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瑞稀(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！続きが気になります！ (2019年1月18日 14時) (
レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - すっごく面白くて、更新停止されてるのにショックを受けました！(無理はしないでくださいね)お気に入り登録して、いつでも更新待ってますから！ (2018年10月21日 21時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)
狐の婿 - 凄い面白いです！色々な小説がありますが、そう言うのとはまた違った感じで読んでいて凄く展開の気になる話でした。これからも無理のない程度に更新頑張って下さい。 (2018年10月7日 11時) (レス) id: 1f18b7dff9 (このIDを非表示/違反報告)
キタル(プロフ) - 真夏さん» 真夏さんコメントありがとうございます！文才はまだまだなのでこれからも磨いていきます！！応援に応えられる様に更新も出来る限り頑張っていきます！！ (2018年4月3日 12時) (レス) id: 1987885b90 (このIDを非表示/違反報告)
真夏(プロフ) - コメント失礼します。話に引き込まれました。僕は文才がないので羨ましいです……！これからも頑張って下さい、応援しております！ (2018年4月2日 23時) (レス) id: 931811c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キタル | 作成日時：2018年3月25日 8時
