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A「杏寿郎…ごめんね、せっかくのクリスマスなのに…。」
煉「気にするな。1人だと君はクリスマスまで嫌いになってしまうだろう。それにAと過ごすクリスマスはこれから何度だってあるし、俺たちだってクリスマスやり直せるんだから。…一人でよく耐えたな。」
A「ありがとっ…っ」
煉「Aは親父さんのこと好きか?」
A「好きかどうか分からないけど、でも居なくなったら嫌だなって思うし怖い。さっきも言ったけど優しい時もあったから。手上げられてたし、ママを傷付けたから許せないけど、でも…それでも私のパパはパパ1人だけだもん。」
煉「そうか。…親父さんが回復したらそれを伝えてあげるといい。Aの親父さんだ。きっと理解してくれるし、やってきた過ちに気付くはずだ。」
杏寿郎はしっかり手を握って言った。
ロビーでうつらうつらしたり、
交代で寝たりして朝を迎えた。
担当医の先生が回復の兆しがあると言って
普通病棟に父親は移った。
お昼を過ぎた頃父親は目を覚ました。
A「お父さん…」
「A…っ」
A「びっくりさせないでよっ…死んじゃったらどうしようって思ったじゃんっ、なんでいっつもこうなの…馬鹿じゃん…パパの馬鹿…いなくなんないでよっ」
「父親だと…思ってくれるのか…今までひどいことをしてきた…生きる価値なんて「馬鹿!!そんなこと言わないでよ!!私と愛弓のお父さんはパパだけなんだからそんなこと言わないで!!家族でしょ!!」
「すまない…本当に…すまなかった」
A「もういいの…。パパ、頑張ろう?一生懸命生きよう??…あ、そうだ。この人は煉獄杏寿郎さん。私の恋人なの…」
煉「勝手に付き添わせていただきました。娘さんとお付き合いをさせていただいてます。煉獄杏寿郎と言います。高校で教師をしています。」
「自分のことでも…娘のことでもご迷惑をおかけします…本当にありがとう、杏寿郎くん」
A「愛弓は今天元と付き合ってるの。」
「天元って、あの宇髄か?」
A「そう。よく言い合いしてた宇髄天元。…謝っててよね。」
父親は苦笑いをして窓の外を見た。
A「雪だ…。パパ、ホワイトクリスマスだね…。メリークリスマス、パパ」
「…っはは、メリークリスマスA」
やり直しの道を歩き始めたんだ。
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作者名:えぬ | 作成日時:2020年12月5日 18時