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今日はクリスマスイヴ。
私の指と首元には
杏寿郎からもらったリングとネックレス。
杏寿郎は今日は会議だからと
仕事に行っている。
夜にディナーを食べて
明日一日ゆっくり過ごそうって約束をして
私も家でゆっくりしていたら
知らない番号から電話。
「もしもし…はい、あ、おばちゃん。うん…え???!あ、え?、うん、すぐ行く!」
電話の内容で頭が真っ白になった。
わたしはスマホと財布をもって
上着を掴んで家を飛び出した。
走った。とにかく走った。
A「おばちゃんっ!!!!」
呼吸が整う間もなく、
電話をかけてくれた人を呼ぶと、
おばちゃんは泣きながら私の肩を抱いた。
「Aちゃんっ…!!!」
わたしは久しぶりに見た実家を
自分の生家とは思えなかった。
野次馬に囲まれて
黄色いテープを玄関に貼られていて
パトカーと救急車が来ている。
今にも爆発しそうな心臓を押さえて
身内です、それだけ伝えて家の中に入る。
A「お父さん…っ!!お父さん!!」
そこには青白い顔で痩せ細って
血塗れで倒れる父親。
荒れている部屋。
父親だなんて認めたくないのに、
それは自分の父親だった。
父親は担架に乗せられ救急車へ。
私は訳もわからず同乗し、
病院へ向かう。
病院に着くなり父親は集中治療室に
運ばれて行った。
ロビーで警官に話しかけられた。
話を聞くと、
我が家に最近借金取りが来ていたらしい。
父親は闇金でお金を借りていたとのことだ。
それですごい争う音がして
しばらくして隣の家のおばちゃんが見に行くと
血塗れで倒れていたとのことだ。
わたしはその場におらず疎遠だったと
それだけ伝えると警官の人は、
去って行った。
ガラス越しにみる父親は、
本当にあの父親なのか。
A「っ…家族なんて…」
拳を力一派握った。
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作者名:えぬ | 作成日時:2020年12月5日 18時