キ ミ ノ カ ケ ラ

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「森田さ〜ん、勘弁してくださいよ〜」




車に乗り込むなり、すぐにマネージャーからおとがめの言葉が飛んできた


悪い、とだけ返すと


壮大なため息が聞こえてきたけど無視した


シートに身を沈める


今日は時間のせいもあってちょっと運転が荒いけど俺のせいだし何も言えない




「いつからですか？」




「昨日から」




マネージャーから聞かれた問いに最小限の言葉で返す


それ以上は聞かれなかったので


寝ようと目を閉じると


ケータイのバイブが太ももに感じられた


ケータイのロック画面にはメールの新着が映し出されていた


そのままパスワードを打ってメールの内容を確認した


未登録のメールアドレスはもうすでに覚えられていて


胸が踊ったのは気づかないふりをした





『件名:なし


鍵忘れてますよ』





一文だけのメールに添付されたカードキーの画像は


間違いなく俺の家のもので


あまり慌てなかったけど





『取りに行く』




とだけ返すと





『待ってます』





って返ってきた


今日もがんばれそうだ

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