キ ミ ノ カ ケ ラ

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「ファンだから、好きなのに言わないって事？」



また悲しそうな顔になった



「…違います。私三宅さん担当じゃないんですよね」



私、箱推しですなんて笑って



(辛いなら笑うなよ)



そう言いたくなった


彼女はこの場が重くならない様にか


昨日よりもよく喋ってる


でも喋り終わりに此方を見つめて



「私が言うことじゃないかもしれないですけど、三宅さんの事、お願いします…」



と、とても心配そうな目で此方を見るから


いたたまれなくなった




『お前、平山さんの何なの』




自分の発言が蘇ってくる



(悪い事したな…)



彼女の言葉に頷いて



「俺が謝っとく」



「そんな！三宅さんから謝るべきです！」



「俺も悪い事言ったから」



そう言ったら彼女も黙った



「健の事気にしなくていいよ」



穏やかに言ったつもりだったけど


ちゃんと笑えてただろうか



「ごめんなさい」



俯いてもう一度謝る彼女の頭に手を置いた


これ位しか慰め方を知らない自分が情けない



「気にすんな」



やっと彼女が顔を上げて笑ってくれた

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