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ピッと通信を切った音を聞いて、私は起き上がる、未だに気づかないリテアは、悲しそうな横顔をする。
「…さっきのは一体どういうことかしら、リテア」
私の声にビクリと反応し焦った顔で振り返った。
「…っA…ちゃん、さっきの、聞いてたの…?」
今にも泣きそうな顔で、絶望をした表情で私に聞いてくる。
私は無情にも、返さなければならない
「ええ、ミトライトといったわね。
本名?」
「…あー…最初から…?
うん、そう…私の本名…。
まさかこんな形でバレるなんて…」
はは、と乾いた笑いを見せてから、流れるように胸元に手を入れて、小型拳銃を私に突きつけた。
「うん、私はα国のスパイ…そして、α国の王女よ」
吹っ切れたように、彼女は私に話す。
縛っていた髪を下ろし、そばかすの化粧を拭って消した。
…それより
「王女…?」
王女が、スパイ…?
「ええ、私は小さい頃から、父に愛してもらったことがない
生まれた頃から、私は父の道具、王の為に働き、王の為に生き、王の為に死ぬ
それを洗脳の様に毎日聞かされるのよ」
ニッコリと笑って私に訴えるように言う。
私はただ聞くことしかできない
「…でも、この国は素敵ね…みんな暖かいの
総統も、幹部も…みーんな…
あの子が惹かれるわけだわ」
髪をかきあげて、焦燥感を紛らわす彼女
銃口は震えている。
揺れている、彼女も、あの子達が捨てられないんだわ
「貴方もよ、Aちゃん…大人びてるのに、どこか子供っぽい貴方は、私に楽しさを教えてくれた。
初めてできた、同性の友達だったの…嬉しかったわ…。
…ごめんね」
彼女の目には、涙が浮かんでいた。
私は手を伸ばす、世界がスローモーションに見えてもどかしい
「Aちゃん!
チーノ君に伝えて!」
リテア、ミトライトは思い出していた。
幼き頃の記憶を
「王女さまなん!?めっちゃ可愛いなぁ!」
「大丈夫やって!きっと王様もミトちゃんのこと好きやって!」
「ミトちゃん、無理せんときや?」
「ミトちゃん」
自分の名を呼び笑う彼を思い出す
同じ境遇の、初めての友達で、初恋の人
幼い頃、少しの間だけだけど、お互いに励まし合って、その時間だけが、幸せだった
「"幸せになってね"」
彼女は自分の眉間に銃口をあてて、引き金を引いた。
サイレンサーもついていない、乾いた音が、部屋に響いた。
「リテア!!!」
間に合わなかった、倒れ込むリテアの体を受け止めて、彼女の悲しく微笑む顔を撫でる
「あ…ああ…」
守れなかった
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#私があめです(プロフ) - 夢主ちゃんに感情移入しちゃって胸が苦しい……更新応援してます！ (2020年8月21日 23時) (
レス) id: ab2c2384be (このIDを非表示/違反報告)
すいれん - そっかぁ...忘れられちゃってるのかぁ...あれ？目から塩水が... (2020年8月1日 23時) (レス) id: 94909bedb8 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - ・ちょこみんとさん» 神だなんて、ソコまで評価していただいてとても嬉しいです。この作品がもっと好きになれるよう、私も頑張って文才を絞り出しますので、よろしくおねがいします！更新がんばります！応援ありがとう御座います！！それでは！ (2020年7月30日 14時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
・ちょこみんと - 今更この神作品を見つけて一気見させて頂きました。第一章は感動で目から塩水が溢れ出ました。第二章はとてもホワホワしながら読ませて頂いています！神作を作り出してくれてありがとうございます！大好きです！これからも更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年7月30日 13時) (レス) id: c2be3e9c79 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - あーる@さん» 大好きなんて…！ありがとう御座います！！めっちゃ嬉しいです！！さらっと読まれてる…！！お主やりおるな…！！これからもがんばります！！ (2020年7月26日 17時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生夏 | 作成日時：2020年7月23日 14時
