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そして当日、私は黒の子を守る為に、今ではもう着慣れた軍服へ腕を通し、大理石の床が輝く広い部屋で、黒の子の隣に立った。
もう片方には赤い子が立ち、黒の子と対峙する肥満体型の男を見る。
気持ち悪い笑みを浮かべながら、黒の子をじっと見ていた。
「…」
「ああ…グルッペン総統陛下は、稚拙な兵士を雇っているようだ」
私を見下し鼻で笑う…名前は忘れたが男、両隣の兵士も笑っている。
赤い子は私を咎めるような目で見る。
私が煽りに乗るとでも思っているのかしら
私は愛想笑い相手に向けた。
いらりとした表情が一瞬垣間見える。
まるで子供の様だわ
見た目は醜く老いていると言うのに、心は育たないなんて…可哀想ね
「彼女は実に優秀でね、さぁ、始めましょう」
黒の子は私の頭をぽんと触り、威圧的に声を低めた。
男はそれにふんと鼻を鳴らし、どっかりとして座る、相手に対する敬意すら感じられない。
そこでじっと、私は対峙する相手の兵士と見つめ合った。
二人して無言を貫いていると、悪寒が背筋を走り、バッと黒の子の方を見る。
表情から焦りが垣間見える
やはり経験値の差か、黒の子よりこういう場面に慣れているこの男は、いくら黒の子がカリスマとて、長年の経験には敵わないのだろう。
だが
私は黒の子に触れようと伸ばす男の手を掴んだ。
「…彼に触らないで頂きたい」
相手の兵士に武器を突き付けられるが、これくらいの距離ならば難無く躱せる。
この行動が迷惑になってしまったらどうするべきか…。
ちらりと黒の子を見ると、安心した様に目を伏せていた。
よかった
赤の子を見ると、黒の子とは違い私の行動に頭を抱えていた。
ゴメンね
「…いいのかねグルッペン君、こんな行動を取らせて…
こんな些細な事で争うのは私も望んじゃいない。
今頭を下げるのなら水に流そう」
私の手を振り払い、嫌な笑みを浮かべる男
黒の子は少し黙って考えたのち、目を細め挑発するように笑った。
「いやはや、何を仰っているのやら。」
黒の子が口元を抑える。
男は顰めっ面になって問うた。
「何がかね」
黒の子は男に、冷たい目を向けた。
「散々水に流してきたのは此方の方ですよ。
輸入量が多かったから見逃してきたものの、よくもまあここに顔が出せる。」
虐げてきたチーノに、何食わぬ顔で挨拶をしたらしいな
威圧的な低い声が部屋に響いた。
まるで地を這うように、相手の背筋を震わせる。
やはりどれだけの年を積もうと天性のカリスマには敵わないようだ
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#私があめです(プロフ) - 夢主ちゃんに感情移入しちゃって胸が苦しい……更新応援してます！ (2020年8月21日 23時) (
レス) id: ab2c2384be (このIDを非表示/違反報告)
すいれん - そっかぁ...忘れられちゃってるのかぁ...あれ？目から塩水が... (2020年8月1日 23時) (レス) id: 94909bedb8 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - ・ちょこみんとさん» 神だなんて、ソコまで評価していただいてとても嬉しいです。この作品がもっと好きになれるよう、私も頑張って文才を絞り出しますので、よろしくおねがいします！更新がんばります！応援ありがとう御座います！！それでは！ (2020年7月30日 14時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
・ちょこみんと - 今更この神作品を見つけて一気見させて頂きました。第一章は感動で目から塩水が溢れ出ました。第二章はとてもホワホワしながら読ませて頂いています！神作を作り出してくれてありがとうございます！大好きです！これからも更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年7月30日 13時) (レス) id: c2be3e9c79 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - あーる@さん» 大好きなんて…！ありがとう御座います！！めっちゃ嬉しいです！！さらっと読まれてる…！！お主やりおるな…！！これからもがんばります！！ (2020年7月26日 17時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生夏 | 作成日時：2020年7月23日 14時
