◯ ページ36
最初見た印象は、可愛い幼女
だが年齢は15、和国の人間は幼く見える言うけどほんまやな
小柄な体でゾムさんと同等に走るのを見たときは、なんとも言えない焦燥感に襲われた。
彼女は異質だ。
まるでイキった十代の考えた最強の自分の具現化、俺から見れば、幼女の革を被った紛い者、酷く言えば化物
飯を食っていたときも、目の前で繰り広げられる茶番に苛立ちさえした。
なぜ隠す
なぜ隠す必要がある
この軍に入り、依怙贔屓で勝ち抜くつもりか
そう考える自分が、あまりにもひん曲がっていることを自覚する。
その日、俺は待ち伏せをした。
チーノの部屋に繋がる廊下で、彼女を待った
ぼんやりと待っている時、なにか懐かしい匂いが鼻を掠る。
ハッとして過ぎ去る手を掴む
それは待っていた彼女の腕。
気配も消せる…いや、さっきのは気配を消したんじゃない
気配がなくなったんだ。
消す消せないじゃない、自動的に無くなる
「…」
腕を掴まれて不思議そうにこちらを見つめる彼女、何もしなければ人形のように可愛らしいのに
「あんた…何者なんすか」
動揺を隠し問う
この問いに迷いの見える表情が現れる
…隠そうとしない
俺は責められる点を探す。
「そのリボンゾムさんがもらったやつですよね」
城にいた謎の女の子にもらったと言っていた
「何であんたがしてるんですか」
女の子が死んでしまったってゾムさんは泣いていたのに
自分のせいだと嘆いていたというのに
奪ったのか…？
いや、ゾムさんがこんな娘如きに奪われるはずが無い、ゾムさんは嬉しそうやった。
こいつが来て、まるで待ち人が帰ってきたみたいに
「そのリボンは、ゾムさんを守ってくれた子のや
あんたがつける資格はない」
ゾムさんは死んでもうた女の子の穴を埋めるために、こいつを代りにしている。
それが一番、辻褄が合う
ゾムさんには悪いけど、間違ってる
「今すぐにでもゾムさんに返して来てください」
死んだ人はもう戻らない
それは俺らが一番わかってるでしょうに
なのに
「ショッピ君、コレはAのやねん」
上から現れた貴方は、彼女を庇い困ったように笑う
「なんで…なんでですか。
アンタは、愛した子の代役を作って満足するような人じゃあれへんはずや」
俺が睨みながらそう言うと、ゾムさんは今度は普通に笑う
「せや!Aの代わりなんか居らん!!
死人が生き返る事もあらへん!!
でもな!俺らは人間や無かってん
一回人の道を外れた人間の贋物、それが俺らやってん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 452人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
#私があめです(プロフ) - 夢主ちゃんに感情移入しちゃって胸が苦しい……更新応援してます！ (2020年8月21日 23時) (
レス) id: ab2c2384be (このIDを非表示/違反報告)
すいれん - そっかぁ...忘れられちゃってるのかぁ...あれ？目から塩水が... (2020年8月1日 23時) (レス) id: 94909bedb8 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - ・ちょこみんとさん» 神だなんて、ソコまで評価していただいてとても嬉しいです。この作品がもっと好きになれるよう、私も頑張って文才を絞り出しますので、よろしくおねがいします！更新がんばります！応援ありがとう御座います！！それでは！ (2020年7月30日 14時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
・ちょこみんと - 今更この神作品を見つけて一気見させて頂きました。第一章は感動で目から塩水が溢れ出ました。第二章はとてもホワホワしながら読ませて頂いています！神作を作り出してくれてありがとうございます！大好きです！これからも更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年7月30日 13時) (レス) id: c2be3e9c79 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - あーる@さん» 大好きなんて…！ありがとう御座います！！めっちゃ嬉しいです！！さらっと読まれてる…！！お主やりおるな…！！これからもがんばります！！ (2020年7月26日 17時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：弥生夏 | 作成日時：2020年7月23日 14時
