○ ページ12
新しく入った軍は、とても強いと言う噂で、猫をかぶる気まんまんだった。
猫をかぶって、気に入られればそれでいいし、興味を持たれることがなければそれで良かった。
それが、俺に課せられた任務であって、条件だ。
俺はα国に使える者で、α国を嫌う者
元々俺の両親はα国の幹部で、そのもとに生まれた俺は国の為に働く駒として生きるしか無かった。
愛想を振りまき気に入られるように、自分の本音を隠して、猫をかぶっては騙して、騙して、騙して
時には自分さえも、だまして…
我々国の任務が、俺の最後の任務、この任務を終えたら、自由の身にすると約束してくれた。
だからここでも、いつも通り騙して、愛想振りまいて、猫をかぶれば、大丈夫だって…大丈夫だって…思ってたのに
この国の人達は、俺を見てくれる。
僕じゃ無い…俺を
楽しかった。
悪戯をすれば、怒るけど、最後には笑ってくれる。
俺は戦うのが苦手やけど、成功すれば、褒めてくれる。
俺は俺で、いて良い、そう言われてるような気がした。
でも、俺はグルッペンさんを殺さなければならない。
恩を仇で返したと言われようとも、俺は俺の為にするしかない。
グルッペンさん、オスマンさん、トントンさんの飲む紅茶に、毒を入れる。
手が震えた。
目がぼやけた。
眼鏡があって良かった。
泣いていたら、バレてしまう
これは、嬉し泣きやから、やから…
俺はいつの間にか、走っていた。
三人のいる方へ、走ってしまった。
足は止まらなくて、涙も止まらなくて、扉を荒々しく開けると、紅茶は溢れて、α国の紋章が彫られたナイフを持ったトントンさんがもう一人の内通者である給仕の人を拘束していた。
俺の中で、敗に終わった焦りと安堵が混じって、扉にもたれてズルズルと座り込んだ。
「…っ良かった…!!」
よく考えればわかることだった。
俺は自由になったところで、行くところは無い
なら、せめてこの人達に貢献して死にたい。
褒められて、いい気分で死にたいんよ
やっぱり、あかんかな…?
詐欺師は力なく笑った。
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#私があめです(プロフ) - 夢主ちゃんに感情移入しちゃって胸が苦しい……更新応援してます！ (2020年8月21日 23時) (
レス) id: ab2c2384be (このIDを非表示/違反報告)
すいれん - そっかぁ...忘れられちゃってるのかぁ...あれ？目から塩水が... (2020年8月1日 23時) (レス) id: 94909bedb8 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - ・ちょこみんとさん» 神だなんて、ソコまで評価していただいてとても嬉しいです。この作品がもっと好きになれるよう、私も頑張って文才を絞り出しますので、よろしくおねがいします！更新がんばります！応援ありがとう御座います！！それでは！ (2020年7月30日 14時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
・ちょこみんと - 今更この神作品を見つけて一気見させて頂きました。第一章は感動で目から塩水が溢れ出ました。第二章はとてもホワホワしながら読ませて頂いています！神作を作り出してくれてありがとうございます！大好きです！これからも更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年7月30日 13時) (レス) id: c2be3e9c79 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - あーる@さん» 大好きなんて…！ありがとう御座います！！めっちゃ嬉しいです！！さらっと読まれてる…！！お主やりおるな…！！これからもがんばります！！ (2020年7月26日 17時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生夏 | 作成日時：2020年7月23日 14時
