この少女、ドMにつき【wrwrd】3rd

キュウジュウヨン ページ5

あの後、めっちゃ泣いた私は我に返り羞恥心に誘われながら気を紛らわす為に渡されたプリント問題を無心でやっていた。
先生と二人きりの保健室で

ここの先生は美人だ。
だが謎が多い。

年齢不詳で美魔女かも知れないと噂になっていた。

ちらりと横目で見ると、先生と目が合う
ビクッとしてしまい、先生に笑われた。

「ふふ、Aさん体の方は大丈夫なの?」

『え、あ、はい。
大丈夫です』

「ならいいや、もうホント彼奴等どうにかしてくんない?
アンタが来えへんかった間、ずっと陰気臭かったんやから
女の子にキャーキャー言われてるくせして、まだまだガキやで彼奴等は」

はんっと鼻で笑い飛ばす先生、彼奴等とは、きっとゾム達のことを言っているのだろう。
真ん中で分けられた茶色の髪から除く翠の瞳は、私を映している。

「…彼奴等、アンタの事ずっと待ってるからさ
会ったら今までで一番の笑顔見せてやりなよ」

そう言って、歯を見せて笑う先生、きっとこう言う所がモテるんだろうな。
男子生徒に人気なこの先生は、私にも勇気をくれる。
見た目は私達と5歳くらいしか変わらなそうなのに、ずっと年上のありがたい話を聞いているみたい。
論理感が違うんだ。

コンコン、ノックする音が保健室に響く

「はいっていーよー」

背骨を伸ばしながら言った。
そしてガラリと扉を引いたのは、めっちゃ見覚えあるあの方だった。

黒い短髪

切れ長の目

そして特徴的なバッテンが描かれたマスク

そう、花壇の件で私を殴ろうとした先輩である。
その先輩の後に入ってきたのは、まさかまさかのお兄ちゃん
二人とも体操着なので体育だったんだろう。

「!Aちゃん!良かったー!無事で!ショッピから聞いたんやで!怪我大丈夫なん??」

私を見つけた瞬間飛んでくるオスマン先輩

「アンタ等何しに来たのよ、保健室に何の用?」

「捻挫したから、湿布ください」

バッテン先輩に言われ、はいはいとけだるげに湿布を取りに行く先生
私はオスマン先輩に目線を移し、応える

『大丈夫です。
怪我も打撲とか火傷ばっかだから入院も必要ないって、えっと、お兄ちゃん、は大丈夫なんですか?怪我とかないですか?』

私の両手を包み込むオスマン先輩、私の心配の声に、笑って返す。

「Aちゃんは優しいなぁ!
俺は付添やから!心配してくれてありがとめう〜!」

そう言って私の首に腕を回し抱きしめてくる。
前にオスマン先輩がいなくなって、バチコリとバッテン先輩と目があった。



気まずい

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