キュウジュウサン ショッピside ページ4
Aは、ショッピの胸に抱かれている。
泣いて出てきたAを、ショッピが保護したのだ。
それによりショッピの両親は面会室に乗り込もうとした。
だが、刑務官の制する声にその行動は止められ、ショッピが話を聞いているのだ。
『うっえぇ、おど、さんが、俺の、事忘れ、てぇっ幸せに、なれって…っ
私っお父さんも一緒がいい!
やから、待ってるって、言うたん』
俺は正直、先輩の話に嫌気が差した。
あれだけ虐げられてきた相手にまだ、情があるなんて
よく虐待された子供は親をかばうと言うけれど、その有様をナマで見ると、とても痛々しい。
「…先輩目擦っちゃだめです」
先輩の腕を掴んで、もう片方の手で後頭部を抑える。
自分の胸でなく先輩、今告白したら、きっと先輩はOKするだろう。
でも、それはただの弱みに漬け込んだだけ、俺の実力じゃない。
そんなのズルや
ゾムさんが許せへんやろな
そんな事を考えながら、先輩の頭を撫でた。
3時間目から参加の授業、先輩は保健室で特別授業、お昼休みに迎えに行く予定だ。
で、今俺は
「で?で?私の早退認定は役に立ったのかい!?」
あの先生に質問攻めされている。
はぁ…
キラキラと目を輝かせメモ帳にペンを走らせるその姿は
「…一応、アンタのおかげで先輩を助けられました。
ありがとうございます。
嗚呼…お礼は体で返しますよ」
「いや教師成って3年で犯罪者になりたくないんだが」
「あれ?俺が先輩を落とすトコ見たくないんですか?
何を勘違いしたんか知りませんけど…
先生心腐ってますねぇ」
鼻で笑い、煽ると、先生は腰を90°に曲げて頭を下げ始めた。
「見たいですよろしくお願いします」
潔い…
「…そうだ、その代わり文化祭でこういう事してくださいよ…」
ハッと思いついた事を、気を取り戻した先生に話した。
すると先生は真顔で
「何その燃える行事絶対作らせるわ」
と言ってパンプスじゃ絶対靴ずれする速度で走って行った。
ショッピが考えた行事とは何なのか
それはまた、もう少しあとのお楽しみである。
「うは…!オモロなってきたやないですか…
絶対落としたるからな」
狼は赤ずきんに
恋と言う名の牙を向く。
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サラミ - 一気読みさせていただきました!!最高です。ありがとうございました!! (2022年8月3日 10時) (
レス) @page30 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
ネミ - 読み終わった時めちゃくちゃ泣いました！本当に面白い作品をありがとうございます！弦生夏様のご活躍を願います！ (2021年8月27日 16時) (レス) id: 6a4c48ebc2 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - （続き）最高の時間でした。感謝してもしきれません。「視えてます」もこの作品の前に読みまして、間違いなく「勘違いすれ違い」が大好きになった原因は弥生夏様のお陰ですw 今後も応援させていただきます！最高の時間、ありがとうございました！ (2021年7月25日 19時) (レス) id: 9dbbda50e8 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 読了しました！完結おめでとうございます！勘違いから生まれるすれ違いが毎回濃くて面白くて、かと思えば私に無い面白い考え方が幾つも出てきて、展開も最高で飽きず、最後まで楽しく読めました！個人的に、この作品のお陰で気付けた自分の気持ちも幾つかあり、（続く） (2021年7月25日 19時) (レス) id: 9dbbda50e8 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 誤字の報告です。106の初めの方、「に聞くわない」じゃなく「気に食わない」じゃないですかね……？ (2021年7月25日 19時) (レス) id: 9dbbda50e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生夏 | 作成日時：2020年6月1日 21時
