視えてます。【wrwrd】

にじゅうろくわ ページ27

オウム先輩がゆっくりと生徒会室の扉を開ける。そのゆっくり加減が死刑までのカウントダウンにしか思えない。

ゆっくりと開き、生徒会長の姿が見え始めた瞬間、扉から光が漏れ、風が漏れてきた。
その風に乗って舞う黒い羽、窓からさす日光を浴びキラキラと輝く金髪、傍らに佇む一羽の"黒鷹"堂々とした強い佇まい、こちらを見る艶な流し目

あんな格好いい鳥類、初めて見た…。

「会長さん(の鷹)色気と雰囲気すごすぎるんだが…」

出てしまった本音にオウム先輩の鋭い視線が突き刺さる。にこやかなのにオウムの目は厳しい…

「ふ、光栄だな」

カラカラと笑う生徒会長、やっぱり友達をたぶらかしてる女ってことで嫌われてるのかな…と鷹を見ると、全然そんなことなかった。
むしろ上機嫌な顔で私を見ている。

「…?…私達は、なんで呼ばれたんでしょう?」

「ああ、それについてだが…心当たりはないかね」

「え…いや、あるにはあるんですけど…いやぁ…」

しどろもどろになりながら言うと、生徒会長は楽しそうにクツクツと笑う。
鷹も楽しそうだ。え、ほんとに何?何なの?

「んふふ…すまないな、だが安心するといい、俺は何も君を叱ろうと呼んだわけではない。
既にしんぺい神から話は聞いている。面白い才能を持っているのだな!」

あ、もう誤解解けてる!やったぁ!

「…どういう事やグルッペン」

……生徒会長意外と報連相しないタイプの人間?

安心した私と皆子はほっと息をつく、言い争う先輩三人を横目に、お弁当を広げ始める。

「ちょっ、何勝手にお弁当食べよんの!!?」

「自由気まますぎん君ら…」

「いいじゃないか!彼女等は客人だ」

生徒会長からの説明を受けすっかり呆れ顔のオウム先輩と豚先輩、私は咀嚼していたものを飲み込み、生徒会長に問うた。

「誤解が解けているのなら、もはやなんで呼ばれたのか検討もつかないんですが…」


「いや、ちょっと今の状況おもしれーなって思って」

…ん?


「何ならその誤解を体験せずわかっているのは俺達だけやし?」

……うん…?


「正直アイツラが一年女子のテクに翻弄されてるのめっちゃおもしれーし」

……んん…


「てことで誤解の事は一切言わんのでアイツラのこともっと翻弄してくれ。あとは二人だな、頑張ってくれよ!」


………え、やばくない??
誤解とわかってくれたのはありがたい、でもね、まさかもっとやれなんて言われると思わんやん?


「因みに1年ももうそろそろ入る頃だから入ったらヤッてくれ!」

…うそぉ

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