視えてます。【wrwrd】

じゅうわ　橙視点 ページ11

高校生活初日、近寄り難いと言われる生徒会のシャオロンさんの頭を撫でていた女子、海咲さん。
ふと窓を見たとき偶然見てしまった。
オレンジのニット帽を撫でる茶髪の女の子

親戚か、知り合いだったのか、その先も考えたが、海咲さんともうひとりの女子が居なくなり、残されたシャオロンさんがめちゃくちゃ困惑していたのを見てないなと思った。

ずいぶんと度胸のある子だなと思い、体育の合同授業で見つけたとき、話しかけてみた。

「おじょーさんがた!」

陽キャに割り振られる俺は人と話すのが得意な為、話すことができた。
特にそんな魅力があるわけでもない普通の女子、生徒会であろう人が一人の女の子に現を抜かすなんて…

「君なんて名前なん?私は海咲A、よろしくね」

「あ、まだやったごめんごめん忘れてた!俺チーノって言うねん!仲良うしてな!」

そう言って愛想のいい笑みを浮かべれば、海咲さんもつられて笑ってくれる。

やっぱり普通の子だ。
なんなら隣の子のほうが容姿は整ってる。
なら中身…?

でも中身なんてそんな短期間で知れるもんとちゃうし…

「海咲さんて……?」

海咲さんて彼氏とかおるん?と聞こうとしたときだった。
海咲さんは俺の方をじっと見ていた。

キラキラとした期待に満ち溢れた目で

「…海咲さん…?」

「…へ、あごめん!なんか言った…?」

「いや…」

なんだろう…なにか見透かされてる様な気がする…。

…怖い…

彼女に俺は正体のわからぬ恐怖を覚えた。
彼女はなんだ?

なにが特別なんだ…?

「Aちゃん、もしかしてチーノ君の事…」

「へ?」

「いや、まさか…?」

隣の子があまりにも海咲さんが俺を見るので怪しみ始めた。

「いやいや、まだお互いのこと知ったばかりでそれは無いやろ〜」

と言えば、海咲さんはふむ、と悩んだ素振りを見せたあと

「ちょっといい?」

なんて言いながら俺の体操着を引っ張り屈ませた。

え…まじで…?

もうひとりの女の子がはわわと口元に手を当てる。

そして海咲さんは、失礼と言い俺のメガネをとり、頭を撫でてきた。

「…へ?」

「ほわあああ…!!やっぱり!ふわふわしとる…!!」

「え!私も撫でる!!」

「え、え…?」

俺は今二人の女子に頭を撫でられている。
これがハーレムか…!!
いや違う!!!!

「なんで俺撫でられてんの!?」

「あ、ごめんつい…」

「ふわふわだった〜!」

え、なに怖い
撫でグセでもある訳この人…

もう分けわかんないんやけど…

でもなんか…


……嬉しかった…??

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