はちわ 黄緑視点 ページ9
昨日、生徒会の会議でシャオロンが女に襲われたと言う話になった。
皆の殺気は半端じゃなく、ちょっと怖かった。かく言う俺もちょっと殺意あるけど
朝のバスに乗るとみんなスマホをイジってる。
俺もゲームのログインを一通り済まそうとアプリを起動していく。
何度目かのバス停に停まったときに、同じ高校の女子が乗ってきた。
スクールバックが真新しいので多分一年、見つかりたくねえなと思い身を縮こまらせて隠れたつもりでいたけど、ソイツは俺の方に来た。
「あ、お隣いいですか?」
こいつもか…と思ったがまじで他に開いてる席がなかった。
運悪…
渋々了承すると、隣でキョロキョロとあたりを見渡し、何かを探している素振りを見せつつ俺をガン見してくる。
俺の事知らんふりして近づいて来たタイプか…
朝から最悪だと気分を損ねると、それを悟ったかわからないがソイツは俺にしか聞こえない声でこう言った。
「お隣来ちゃって、ごめんなさい」
びっくりしてそいつを見るとほんまに申し訳無さそうな顔をしていた。
今までの奴らは自分のことしか考えてなかったのに、こんな顔するやつもおるんか…
……ほんの、ほんの少しだけ、俺に嫌な思いをさせないように少しでも距離を取ろうとするそいつに、安心感を覚えてしまう。
自然と俺はそいつの服の裾を掴んでいて、
そいつは驚いたように俺を見る。
「……次も、隣ええで」
ついそう口走った。
するとそいつは顔を両手で覆ってうめき声を上げている。
「ぐぅ〜…っ…なんですかそれ…」
「ぃ、嫌やった…?」
目を合わせてくれない事に不安を覚え問えば、全力で首を振ってきた。
「いえいえいえ!むしろ嬉しいというか!
こんな可愛い子の隣に座れるなんてすっごい嬉しいです!」
可愛い子の隣…
お、俺の事…?
「か、可愛いって、俺…?」
「ア…ごめんなさい、可愛いってイヤですよね!」
ごめんなさい!と謝ってくる。
でも不思議と、コイツに可愛いと言われるのは、悪くないと思ってしまった。
「…嫌ちゃう」
「へ…?」
「嫌ちゃうから、もっと言うて…」
途中言うのが恥ずかしくなって尻すぼみになってしまう。
「かっっ…!!」
そいつはまた悶え出して、遂には震える手で俺の頭を撫でだした。
その手が気持ちよくて、安心して、もっとして欲しいと思って、その手に頭を擦り付けた。
「……かっわいい…」
「…」
呟くように言われ、俺は何も言えなくなった。
周りが砂糖を吐きそうになってたのは気づかなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1861人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる(プロフ) - パスワード解放されてらっしゃる…！久々に見に来たら続編間近！！！嬉しすぎます！！パス、実はボードを見て以前試しましたが普通に開かず()なのでまた見られて嬉しいです！！更新楽しみにしています！！！ (2023年5月6日 13時) (
レス) id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
夜露姫(プロフ) - あああ好きですううううう……もう何もかもが好きです…更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2023年5月4日 23時) (レス) @page47 id: c00d592dea (このIDを非表示/違反報告)
ここなつぁ。 - 本当にもう好きです！天才かよ。動物も可愛いしd!の皆さんの反応もかわいくて本当にもう…。応援してます。頑張ってください！ (2023年5月4日 11時) (レス) @page45 id: e540fc95b9 (このIDを非表示/違反報告)
春嵐 - この作品すごい好きです!!毎日更新を楽しみにしてます!!応援しています!! (2022年12月18日 18時) (レス) id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
ビニール袋 - ぎゃあああああああああぎゃんかわああああああああああああ (2022年12月1日 18時) (レス) @page44 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：弥生夏 x他1人 | 作成日時：2021年5月31日 23時
