ダイスキ_189* ページ6
貴女side
予鈴のチャイムが鳴り、颯翔くんと別れた。
やっと……ひと段落着いたんだ。
貴｢……奏斗、私あれでよかったのかなあ。｣
颯翔くんの姿が見えなくなってからポツリと呟いた。目まぐるしい昼休みで、もう訳が分からないくらい疲弊していたらしい。
彼｢うん、Aは完璧だった。偉かったね。｣
彼は私にそう返し、頭を撫でてくれる。
彼｢颯翔のせいで当初の僕の計画とはだいぶズレてしまったけれど、そんな中でもAは最善の働きをしてくれたよ。だからこうして颯翔に勝つことが出来た。｣
貴｢そう…なら良かったんだけど。｣
だけどひとつ気になる事がある。
彼｢勝ったのにどうして浮かない顔なの？何かされた？言ってごらん？｣
私の大好きな彼の優しい甘い声で問われる。
貴｢別になにかされた訳じゃなくて……その、颯翔くんを庇うつもりじゃ全然無いんだけど。｣
目をあっちこっちに動かしながら話している事は自分でも自覚している。
後ろめたい訳では無いのだが……。
貴｢あのね、私が閉じ込められている時に颯翔くん、昨日みたく奏斗のデタラメな過去を出しては来たんだけど……。｣
彼｢やっぱりアイツ、懲りずに何度も…！｣
彼の顔が険しくなったのを諌める。
貴｢違うの奏斗！いや、違うわけじゃないけどそこじゃなくて…、最後まで聞いて欲しい。｣
私の言いたいことがいつもと違う気がしたのか、奏斗は黙って耳を傾けてくれた。
貴｢颯翔くんの話す奏斗の過去がデタラメなのは知っているから、あまり気にしないように聞き流してたんだけど、黙ってばかりじゃ埒が明かないと思ったのと……、あと少し頭にきたから私ね、颯翔くんに向かって、
私は奏斗をもう愛してしまった。 彼の愛を知ってしまったから、もし颯翔くんの言うように奏斗といて私が傷つく未来が待っていようとも構わないし、それに颯翔くんの言葉もまた確証がない。
って言ったんだ。｣
奏斗が大きく目を見開いた。
彼｢……A、颯翔相手にそんなこと言ったの！？いや、責めてるんじゃなくて！｣
そこそんなに驚く？って思ったけど、そりゃ驚くか。昨日までの私じゃ考えられないものね。
貴｢うん、そしたらね、その後颯翔くん、これ以上言っても無駄だって諦めたのかもしれなかったけど、最後に"羨ましい"って言ったの。｣
彼の指す"羨ましい"とは、それがずっと頭に引っかかる。
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ねん(プロフ) - にあさん» にあさんこんばんは！遅くなってごめんなさい！凄く嬉しい感想をありがとうございます！全然更新が出来ていないにも関わらず、読んでくださり、感想も下さり、胸がいっぱいです。少しでも日々の楽しみとなれば幸いです！ (2021年10月3日 22時) (
レス) id: cdf6dd977a (このIDを非表示/違反報告)
にあ - 更新停止から1年程経ってからですが最初から読ませていただきました！颯翔くん、色んな意味ですごくいいキャラで、推しです！最後の方は共依存という要素もありながら、すごく面白い展開になっててまた読み返そうと思いました！もう更新されなかったとしても大好きです! (2021年8月8日 5時) (レス) id: fbbed7e67d (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 歩実さん» こんばんは！初めまして！コメントありがとうございます！ヤン彼女もいいですねッ！！3からだったらかなり前から...！嬉しいですー！更新遅いですがこれからもよろしくお願いします〜！！ (2019年12月8日 1時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
歩実(プロフ) - ヤン彼をヤン彼女(カノ)と呼ぶ私氏です。この作品3の更新途中の頃に見つけてから全部読んでます！大好きな作品なので頑張ってください！ (2019年12月7日 21時) (レス) id: 0f9c3939b1 (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 日名無 りんさん» いつも気にかけて下さってありがとうございます(;_;)いちばん元気をもらっています！私もびっくりです(笑)もはやわざわざヤン彼5まで評価押しに来た事が凄いですよねw心折れない限り頑張る所存です...！ (2019年12月7日 2時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねん | 作成日時：2019年12月4日 0時
