ダイスキ_185* ページ2
彼side
数刻前。
Aと颯翔の居所を掴んだ僕は、直ちにこの2人をその閉ざされた教室から出す為に行動に移った。
いくら僕でもあの頑丈な放送室の分厚い扉を破ることは出来ないし、鍵も見たところ仮に外から開けても2重になっていて開かないとみた。
僕達が颯翔を誘き出す為に作った雰囲気に、見事釣れたが奴も用意周到な筈だ。今日の動きを見るに簡単にはいくまいと、いつでも決行できるよう事前に準備は怠っていない。
外から扉を開けてAを助けられないとすれば、中から強制的に出せばいい。
簡単なことだ。
そう決め僕は来た廊下を歩いて戻り、突き当たりにある警報ブザーのボタンの前まで来た。
ここまで僕が平静を保てているのは、昨日僕の過去をAに話した事、そして颯翔の本性を伝えているからだ。
そして何よりも、僕を心から信頼してくれているAを僕が信頼しないなんて事はない。
大丈夫、Aは上手くやる……。
この警報ボタンは生徒がぶつかった拍子に誤作動で鳴らないよう、カバーが着いている。
ここ数年まともに使われていない校舎だから、当然老朽化が激しい。
警報装置は生きているが、そのカバーが歪んでいて取れない事態に陥った。
彼｢くっ……かったいな…！｣
旧校舎といえど、学校の備品を壊す事に躊躇いを感じたが、加減をしたところでどうしても取れないので力を込めた。
バリッッ！！
カバーは根元から折れて、無事に取る事がかなった。
彼｢力技になってしまったな。｣
折れたカバーを見つめ、多少の罪悪感に浸るものの、こちらは愛する人がかかっているのでそこに割く時間はないのだ。
ボタンを押す前に、本校舎に少し戻り時計の時間を確認する。今の場所から本校舎の昇降口までは目と鼻の先である。
昼休みが終わる約8分前……か。ちょうど良い頃合だろう。
彼｢いつまでも自分が僕よりも優れていると思うなよ。今日でお前とは決着をつける、覚悟しておけ。｣
そう言い残し、赤いボタンを押した。
直後、学校中に響くような大きな音が鳴り響いた。
そして僕は一旦旧校舎内へ戻り、身を隠しながら空いている窓から校舎裏に出た。
警報装置の場所は昇降口と近いため、あそこにいると僕が鳴らしたことがバレてしまう。直ぐに生徒も教師も集まってくるだろうから。
颯翔も旧校舎に勝手に入ったことがバレないよう裏から出てくるだろう。
やっとAに会える…！
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ねん(プロフ) - にあさん» にあさんこんばんは！遅くなってごめんなさい！凄く嬉しい感想をありがとうございます！全然更新が出来ていないにも関わらず、読んでくださり、感想も下さり、胸がいっぱいです。少しでも日々の楽しみとなれば幸いです！ (2021年10月3日 22時) (
レス) id: cdf6dd977a (このIDを非表示/違反報告)
にあ - 更新停止から1年程経ってからですが最初から読ませていただきました！颯翔くん、色んな意味ですごくいいキャラで、推しです！最後の方は共依存という要素もありながら、すごく面白い展開になっててまた読み返そうと思いました！もう更新されなかったとしても大好きです! (2021年8月8日 5時) (レス) id: fbbed7e67d (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 歩実さん» こんばんは！初めまして！コメントありがとうございます！ヤン彼女もいいですねッ！！3からだったらかなり前から...！嬉しいですー！更新遅いですがこれからもよろしくお願いします〜！！ (2019年12月8日 1時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
歩実(プロフ) - ヤン彼をヤン彼女(カノ)と呼ぶ私氏です。この作品3の更新途中の頃に見つけてから全部読んでます！大好きな作品なので頑張ってください！ (2019年12月7日 21時) (レス) id: 0f9c3939b1 (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 日名無 りんさん» いつも気にかけて下さってありがとうございます(;_;)いちばん元気をもらっています！私もびっくりです(笑)もはやわざわざヤン彼5まで評価押しに来た事が凄いですよねw心折れない限り頑張る所存です...！ (2019年12月7日 2時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねん | 作成日時：2019年12月4日 0時
