ダイスキ_179* ページ43
彼side
なるほど、"放送室"ときたか。
颯翔の考えそうな場所だな。中は防音、外から中の様子を探ることができないし、唯一の窓も隣の教室から確認したが黒いカーテンが閉まっていた。当然鍵も閉まっている。
尾行の距離は大体バレていたのだろう。もしAがヘアピンを目印に落としてくれていなかったら、教室を特定するまでに時間を要したはずだ。
居場所が分かっているだけでもそれなりの対策が立てられるというものだ。
彼「A……、僕のせいで怖い目に逢わせてごめんね。」
そう呟いて、辺りを見回す。
僕がまだ落ち着きを保っていられる理由がある。それは、颯翔がAに対して本気の恋心を抱いていないからだ。颯翔は遥香という少女に恋をしている。それに僕の知る奴の性格上、人の心を支配することが奴の生きがいだからAに肉体的な関係の行動はしない。
Aを汚される可能性はない。
しかし昼休みの短い時間といえど、奴の精神攻撃にAが持ちこたえられるかは微妙なところだった。きっと今頃いろいろほのめかされているんだろう。
昨日までのAなら本当に、修復不可能なほどに壊されていたかもしれない。しかし昨日までのAと今日のAは違う。
僕相手なのだから、やるならもっと素早く確実に精神支配の手段に移るべきだったな。颯翔、お前の誤算は僕を甘く見すぎたことだ。今まで何もかも自分の思い通りになっていたんだろ?敗因はお前の慢心だな。
お前が僕と同じく慎重派なのは知っている。だからこちらも対応しやすい。今日のことを見るに、ここまで全てうまくいってきっと奴は、僕が颯翔を見くびったのだと思っていることだろう。
だがそれは違う。
僕がお前に油断したのではなく、お前ごときが僕と同等かそれ以上と自己評価をしているのが気に食わない。
僕は本気を出していない。お前に見せたこともない。僕のレベルを見誤ったんだ。
昼休みはまだ15分残っている。まずは一刻も早く中の人物を外に出す必要がある。
こうしているうちに思案は整った。
さあ、反撃開始といこう。
この程度で僕に勝ったつもりだろうか。作戦を台無しにされたお前の顔を見てみたいものだな。
そして僕は放送室から離れ、旧校舎の入り口近くまで戻ってきた。
これから何をするのか、颯翔は何も知らない。
にやりと口角を釣り上げた。
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天使系殿厨ちゃん(笑) - はい!頑張ります!!イラスト本当に本当にありがとうございました!!感謝です!! (2019年11月28日 15時) (レス) id: a7676729d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 天使系殿厨ちゃん(笑)さん» わわー!!遅くなってごめんなさい!テスト…そんな時期ですか!!頑張ってください!イラストお気に召されたかわかりませんが、リクエストありがとうございました! (2019年11月28日 12時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
天使系殿厨ちゃん(笑) - わーーー!可愛すぎた!!テスト勉強で全然読めてなくて、たまたま来てみたらまさかの!イラスト最高過ぎです!!ありがとうございます! (2019年11月24日 13時) (レス) id: a7676729d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 日名無 りんさん» お待たせしました!!拙いものですが読んで頂けて嬉しいです!いつも読んでくださっているお礼になったかは分かりませんが、宜しければ今後ともお付き合いくださると嬉しいです! (2019年11月23日 21時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - うわあああ!!最&高です!ありがとうございます!ありがとうございます!!!奏斗君大好きだぁあああ! (2019年11月23日 17時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねん | 作成日時:2017年12月8日 14時