ダイスキ_129* ページ39
彼side
あれ…………。なんだ……。
無意識に僕の頬には涙が伝っていた。
彼｢……なんだろう、僕……どうしたんだ。｣
手で拭っても溢れてくる涙に僕は困惑した。
貴｢奏斗…………大丈夫？｣
彼女の言葉と同時に肩にもたれていた頭を上げた。
彼｢大丈夫……なはずなんだけど……。おかしいな……。｣
その間も涙は止まらない。
貴｢…………今まで耐えてきた分を今私に初めて言ったことで、奏斗が自分でも気づかなかった精神的な心の傷から、少しだけ解放されたんじゃない……かな。｣
僕が自分でも気づかなかった心の傷……。
僕は知らないうちに沢山のものを犠牲にしてしまったらしい。
それが少しずつ積み重なり、自分でも気づかないほど麻痺してしまっていたのか。
たしかにAの言う通り、今ので少しだけ心が軽くなった気がする。
素直になるって、こんなに楽になれるのか……。
貴｢今まで沢山無理してきたんじゃない？私のために沢山のものを背負ってしまったんだね。ごめんね、奏斗ばっかり。ごめんね……。｣
そういうとAは泣いている僕を抱きしめた。Aの優しい手が僕の頭をゆっくり撫でる。
Aのそれは母親がわが子を思いやる姿を彷彿させたが、生憎僕は少なくとも記憶がある時点では、母親からの愛なんてものを受けていなかったから、それが母親から貰う愛なのかは分からなかった。
それでも、僕は今までに無いほど安心している。心が穏やかだ。自分を守ってくれる人がいる心地よさ。
彼｢Aを守るのは僕だけで充分だけど、僕を守るには僕だけじゃ足りない……。Aが必要だよ……。｣
Aの胸の中で僕はそう告げた。涙でみっともない顔は抱きしめてくれているAのお陰で隠れて見えない。
貴｢大丈夫。奏斗の隣にはいつも私がいるから。もっと私を頼って……。私に出来ることは少ないかもしれないけれど、私は奏斗の話をちゃんと聞いてあげられる。今まで頑張ったね、奏斗は凄いね……。｣
Aは抱きしめた状態で僕の頭を撫でながら、そう繰り返した。
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ねんどる(プロフ) - グレイス#ロッドさん» お返事たいへん遅くなり申し訳ありません！暖かいお言葉ありがとうございます！力になります！ (2017年10月28日 22時) (
レス) id: 33e71136b5 (このIDを非表示/違反報告)
グレイス#ロッド(プロフ) - 自分のペースで頑張ってください！ (2017年7月1日 12時) (レス) id: 18a0291f94 (このIDを非表示/違反報告)
ねんどる(プロフ) - グレイス#ロッドさん» コメントありがとうございます！とっても力になってます！是非これからも面白い展開を書いていけるよう頑張りますので宜しくお願いします(^-^) (2017年7月1日 12時) (レス) id: 530237087c (このIDを非表示/違反報告)
グレイス#ロッド(プロフ) - 更新頑張って下さい応援しています！ (2017年6月30日 19時) (レス) id: 18a0291f94 (このIDを非表示/違反報告)
ねんどる(プロフ) - #はなあすかさん» お返事遅くなってしまいごめんなさい！読んで下さってありがとうございます！感想まで頂けてとても嬉しいです！力になります！これからもまだ続く予定ですので、どうぞ宜しくお願い致します！ (2017年6月29日 19時) (レス) id: 530237087c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねんどる | 作成日時：2017年4月23日 18時
