眠リノ森【異世界】 4th (ページ44)

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第百九十四話　一人の終わりページ44

ケート side
　

杖を着きながらゆっくりと歩いていく

体中痛くて動くのも辛い

だけど…足は動く

ケート「…なんで、こんなこと、したんだろ」

一時期の嫉妬

それが今回の始まり

そして、終わり

お兄ちゃんは残った『無の妖精』に見守られて死ぬんだろう

…俺は？

誰にも見守られることなく死んでいく

ケート「…はは、自分に、ぴったりな罰」

もう、どこにいるのかも分からなくなってきたから足元も疎かに

石につまずいて地面に倒れ込む

ケート「…ごめん、なさい」

どうして謝罪の言葉が出てきたんだろう

今まで【呪い】をかけてきた妖精(ひと)への謝罪？

お兄ちゃんを間接的に殺してしまった謝罪？

そんなの、もう分からない

【呪い】にかかった妖精(ひと)は誰にも覚えられることは無い

それは俺も例外

おそらくあの三人もしばらくしたら俺の事忘れるんだろうな

ケート「…お兄、ちゃん」

ぽつりと呟いた独り言は誰にも拾われることなく俺はそのまま眠るように息を引き取った