眠リノ森【異世界】 4th (ページ34)

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第百八十四話　兄弟の忘却ページ34

NO side
　

ケートは今まで以上に気をつけることにしていた

無闇に妖精(ひと)に触らない

そうすることで【呪い】による被害を少なくしていたのだ

ところで壺の中に水がどんどん注がれていき、その行き場がなくなったらその水はどうなるだろう

水は溢れかえり、壺はその水で濡れる

それはケートも同じであった

ケート「…今の」

ある日、ケートは全身の毛が逆立つ感覚を感じた

その感覚は知っている

【呪い】である

ケート「…お兄ちゃん‼︎」

ケートはユーヤに伝えた

自身に【呪い】がかかってしまったということを

ユーヤ「その【呪い】は最終的にはどうなるの？」

ケート「【呪い】にかかった妖精(ひと)は…誰にも覚えられずに消えちゃう」

ユーヤは持っていたものを落とした

ユーヤ「…俺、ケートのこと忘れちゃうの？

嫌だな〜、そんなこと」

ユーヤの目からは涙が溢れ出ていた

ユーヤ「ケート、安心して。

俺は、ケートのこと、忘れないから」

ケートはその言葉を信じ、頷いた

毎日、ユーヤはケートに話かけ忘れていないことを証明していた

ケート「おはよう、お兄ちゃん」

その日も変わらずケートはユーヤに話しかけた

ユーヤは振り返り

ユーヤ「…だ、れ？」

とその口からこぼした