保健室に住む彼との秘密《黒》*

# どうしたらいいの？ ページ21

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目黒くんが声を荒げた日を境に、

私は保健室に行かなくなった。








…行けなくなった、

って言う方が正しいのかな。




目黒くんにかけるべき言葉も

接し方も分からなくなって。








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それでも続く学校生活。




隣の席は相変わらず空いたまま。








授業のスピードは

日に日に早くなって来た。








休み時間ですら

勉強をし始めた雪乃に




もちろん目黒くんの相談も出来ず、








塾に通わせてもらえない私は

ただただ周りの状況に焦っていく。








勉強の仕方が分からない。




頑張っても解き方が分からない。








今まで目黒くんに頼ってた

罰だって分かってるのに、




自分で解決する方法が分からない。








学校生活のことも、

受験のことも、




何より目黒くんのことも、








私には何も分からなかった。








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そんな、私にとって大敵のストレスを

知らないうちに溜めすぎてしまった。








朝からガンガン

殴られるみたいな激しい頭痛は、




薬を飲んでも何をしても治らない。








それでも休むわけにいかなくて

授業に必死に喰らい付く。








置いていかれたくない。




もう目黒くんに迷惑かけたくない。








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そんな緊張の糸が、

その日プツンッと途切れた。








黒板の字がゆらゆら揺れ始めて、




咄嗟に俯いたら

グラグラ襲って来る目眩と吐き気。








身体の力が入らなくなって、




真っ直ぐ座れてるのかも

分からなくなって、








気付けば身体に薄っすら感じた衝撃と

左頬のヒヤッとした感触。








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ああ、椅子から落ちたなって思うのに





もう身体は言うことを聞かなくて

起き上がることも出来なかった。








周りの声も状況もよく分からなくて




意識だって飛びかけてるのに、








それでも一番に思い浮かんだのは




やっぱり、目黒くんの顔だった。

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