【レ.ト/ル.ト】4月1日、余命、7日。【実|況|者】

余命３日 ページ6

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彼女が死ぬまであと少し、



ついに彼女は、喋ることが困難になった。



唯一自在に操れる手で、筆談をすることにした。






【声が出なくなったね】



『せやなぁ．．．』





【でも、これで"死"の実感が湧いたかも】



『今さらやなあ』





いつも以上にゆっくりな会話をとぼとぼと続ける。


彼女が病気だと知ってから彼女のことを沢山知った。





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿『ねぇ、私ね。もうすぐ死ぬらしいの。』




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿『こんな私でよければよろしくお願いします！！』





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿『レートくんっ！！』





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿『顔バレぇ！？なになにニート？無職になるのかい？．．．あ、あれでしょ履歴書に自営業って書くやつでしょあはははっ』







彼女と出会ってもう5年、



いや、まだ5年。






たった5年で俺は、彼女を．．．








子供も作りたかったな



もっと言うなら孫だって欲しかった。




ケンカももっとすれば良かった



もっと彼女と喋れば良かった





「ちょっとトイレ行ってくる」









そうやってまた俺を優先して嘘を吐く。








「＿＿弱いなぁ．．．俺。まだAも弱音吐いてないのに。」









本当に、ごめんなさい。


君を助けることができなくてごめんなさい。


約束を破ってごめんなさい。


君を泣かせてごめんなさい。


君を不幸にしてごめんなさい。


君を先に逝かせてしまってごめんなさい。


不甲斐なくて弱くて無力な俺でごめんなさい。






『っ．．．ｯ』




時間がない、



彼女が最期の時を幸せに暮らせるように









せめてもの償いを





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