眠リノ森【異世界】 (ページ32)

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第三十二話　逃走の煙ページ32

ヒカル side
　

イノオ「ね、どこ行くの？」

ヒカル「それ持って大人しくするわけねぇだろ‼︎」

僅かな火(明かり)を頼りに逃げていく

イノオ「よかった、まだ弱い能力で」

ヒカル「どう意味だよ…」

イノオ「こういう意味♪」

するとその妖精(ひと)足元がドロリと溶岩になった

暑さと突然の溶岩(明かり)で俺の思考は一瞬停止した

イノオ「こういうこともできるんだよ…って聞いてる？」

体の一部を能力とする？

それとも元々なかったから能力で補っていた？

クラクラしてきた

イノオ「頭おかしくなりそう？

まぁ、逃げられる前にその足燃やしとこっか」

溶岩がゆっくりと俺に近づいてくる

その時、溶岩(明かり)の中に白いものを見つけた

ヒカル「『煙の吐息(スモーク・ブレス)』」

煙、だ

その煙を自分にまとわせ、宙に浮く

そして扉の方に降り立った

イノオ「おっと、予想外。

だけど扉は開いてないよ？」

僅かでいい、煙が外に漏れ出せば

ユーヤ「…ヒカル？」

イノオ「え…」

誰かが気づいていくれる

ヒカル「この部屋、溶岩ありますよ‼︎」

ユーヤ「それじゃ、冷そう。

『水の舞(ウォーター・ダンス)』」