52.リンデルside ページ23
。
Aと出会ったのは、わしが若い頃...竜の国を任された頃だった。
新しき時代が近付くのを恐れたわしは、自然に満ちた人里から離れた竜の国に身を置くことにした。
竜の国と呼ばれるその地に着き、わしは周辺を探索することにした。
竜の国の奥、木や植物に覆われた場所を抜けた。
着いたそこは想像を上回る程、美しい土地であった。
｢...見事なものだの...｣
花は咲き誇り、木は葉を鳴らし、風は心地よい程頬を撫でた。
夢中で探索するわしの目に映ったのは白い花畑に沈む、背景に溶け込むような白髪と、白一面を染める”赤”だった。
｢...人か？
おぬし、そこで何をしておる？｣
近付くと膨大な魔力が頬を掠めるのがわかった。
｢魔力が暴走しておるようだの...｣
倒れていたのは女であった。
恐らく、先程通りかかった小屋の主であろう。
わしはそこに運び、様子を見守ることにした。
...
｢...ん...ここは...
ッ！...人間ッ？！｣
｢ああ、起きたようだの。体は大丈夫かの？｣
女は起きてすぐ、何かに恐れるように構えた。
その容姿を見るからに隣人の類であろう。
人に慣れておらんのだろうか。
｢...ぁ、ありがとう。｣
状況を理解したのか礼を言われた。
下げた頭に木漏れ日に当たり、髪が眩しく光る。
美しいとはこういうものかと、思わされる。
｢わしはリンデル、魔法使いだの。
しばらく竜の国を任されることになった。｣
｢魔法使い...
私は...｣
女はしばらく黙っていた。
何か考えるように顔を顰めながら下を向いておった。
その姿さえも映えると、柄にもなく思ってしまう。
そんな事を考えておると女は漸く口を開いた。
｢私は...”
驚いた。
その名は確かに、聞き覚えのある名であった。
｢そうか、おぬしが孤の魔法使いかの。｣
｢ッ...｣
｢ならば、おぬしの方が先にここに住んでおったのだ。許可を取らねばなるまい。
わしはまだ、未熟な若造だが竜の国の管理者として、ここ周辺に滞在しても良いであろうか？｣
驚いた顔をしてポタポタと涙を零した。
｢！？ど、どうしたのだ？？何処か痛む所があるかの、？｣
｢いや、違う...まともに話をしてくれる人なんて...今までにいなかったから...ッ...｣
そう泣く姿を見て
また柄にもなく両手で自分よりやや背丈の高いその身体を包んだ。
驚く程に細く弱々しかった。
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ねむる(プロフ) - ユリアさん» はじめまして！コメントありがとうございます😭めちゃめちゃちゃんと読んでくださってて嬉しいです！！！とてもいい言葉まで頂いて🥹💕💕 (11月19日 9時) (
レス) id: ffeabe582c (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - はじめまして！お話楽しく読ませていただきました‼️家族愛みたいなものを感じるシーンがあって微笑ましかったです😆苦しい思いをしても誰かが側に居れば心強い存在になることを改めて痛感しました！ (11月12日 20時) (レス) @page32 id: cd81ad3c39 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - まきさん» こちらこそ応援ありがとうございました！！！コメント気付くの遅くなってすみません(汗)無事完結出来て本当に良かったです(>_<) (2020年11月12日 22時) (レス) id: 7408f5f52c (このIDを非表示/違反報告)
まき(プロフ) - 完結おめでとうございます。すごく良かったです。ラストはずっとウルウルでした。終わってしまうのが辛いです。書いてくださってありがとうございました！ (2020年8月27日 14時) (レス) id: 79e107b57f (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - （名前）さん» ありがとうございます！！ヾ(*´∀｀*)ﾉ次の更新に行けるよう頑張ります...！！！ (2019年10月11日 1時) (レス) id: 6e58b0c359 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむる | 作成日時：2019年4月7日 19時
