ゾル家の眠り姫2【イルミ】 (ページ8)

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そう、イルミの針で肉体操作をして女性になればなんの問題もない

いつかの仕事では顔を変えていたこともあるし

全身ともなればしんどそうではあるが

・・・まあイルミなら問題ないだろう

“サロン”

つまり、社交界なのだが

今回のそれは少し違う

同性愛者が集い、話をする場

つまり、合コンのようなものになると聞いた

彼はそれを知らない

勢い余って全員殺してしまうのは私の望むところではない

私の仕事はあくまでも

誰にも知られず、ターゲットのみを眠るように美しく始末する

それが私の個人的ルールだ「“美しく始末する”それはゾルディック家の使命でもある」

昔、父さんが口癖のように言っていた

だから父さんは、標的の心臓を血が出ないように抜き取るのだ

イルミも私も、当時は必死に練習したものだ

私はマスターする前に眠りについてしまった訳だが

『で、出来そう？針を使って女性になるのは』

「あれ、やってるこっちは結構しんどいんだけど」

『イルミが女の人になるって・・・つまり私になるのかしら』

Aの部屋にある大きな鏡の前に並ぶ2人

「体だけ変えればいいんじゃないの」

『やってみて』

鏡越しに私の体をまじまじと見つめると、うーんと唸りながら順に針を刺していく

ピキピキとかバキッとか音を立てながら体の形だけが変わっていく

・・・ちょっと気持ち悪い

私より身長が高いイルミ(女)が出来上がった

170cmの私と185cmと高身長のイルミ(女)瞳の色こそ違えど、これは・・・

『身長の調節は出来ないの？』

「え？する必要ある？」

『ターゲットに近づきたいのは私

私より目立ってどうするの』

「ああ、そっか」と納得がいったのかポンと手を叩く

いくつか針の位置を調整すると、身長やスタイルが少し変わる

『これなら本当に双子ね』

「は？これまでもこれからも双子だろ？」

『・・・瓜二つってこと』

「まあ、あれだけ一緒に風呂に入れば

Aの身体ならイメージもつきやすいよね」

鏡越しに目を合わせていたイルミはこちらを向く

いつもと違い、私と同じ目線にイルミの黒い瞳がある

『私もイルミの事なら誰よりも理解してる自信、あるけど』

挑発するように笑えば、「じゃあ交換でもしてみる？」と針を取り出した

1日入れ替わってみるのも面白い

『じゃあ1日入れ替わってバレた方が仕事をひとつ変わる

どう？』