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いや、あの場に能力者はいなかったはずだ


ターゲットを殺したのも私じゃなかった


それに、私は今回本当に眠っていただけなのだ


今までのような能力で寝ていた感覚では無い


『父さん、多分違う


私今日は本当に寝てただけなの


念能力による攻撃じゃない


この間と同じなら、自分で対処できるから


それにあの日、私酷く眠かったの


イルと話をしてる途中で眠ってて


・・・体感的にも夜眠って、朝目覚めた時と同じ


特に変なことは無い


心配なら、病院に行ってくるけど』



そんなわけで、翌日私は精密検査を受けることになった




―――――



「へえ、それで病院にね」


それを口実に”外に出たかっただけ”というのもある


『仕事終わりなのに眠らなくてよかったの?』


私の傍らには暗殺の仕事を終わらせ、宣言通り早朝に帰って来た私の片割れイルミ


「Aが家から出るのにオレが寝てるわけにいかないでしょ


突然倒れでもしたらどうするつもり?」


目線を合わせるように屈み、顔を近づけてくるイルミ


一週間、私が眠っている間


魂が抜けたように私の横に座り込み、動かなかったという彼


一週間


ろくに食事もせず、眠りもせず、そのまま仕事に向かった彼


過保護にも限度というものがある・・・と、言いたいところだが


『これ、待ってる間に公園にでも行って食べて


病院なら検査中何かあっても平気よ


終わったら携帯に連絡する


少し休んでて


私のイルが突然倒れでもしたら、どうするつもり?』


イルミに半ば強引に渡したのは、手作りのお弁当


リンゴのうさちゃんとたこさんウインナー、卵焼き、サンドウィッチをいくつか入れてある


「朝は食欲がない」という彼のために、昼食くらいは・・・と思い作ったわけだ


今度は私がイルミに背を向ける番



『じゃ、行ってくるから』



ひらひらと手を振る私に「行ってらっしゃい」と、無機質な声が届いた

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作者名:みこ | 作成日時:2022年7月12日 12時

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