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―――イルミside


ミルキを送り出してから数分


オレの片割れはずっとソワソワしている


何をするにも集中していない


それは仕事の打ち合わせにも響いていた


―――A、きいているのか


潜入開始は明日だろう・・・―――


何を話していても上の空な彼女に、電話口の親父も参っているようだ


―――・・・イルミ、そこにいるんだろう


何かあったのか―――


「うん、ミルキの外出が気になってるみたいだけど」


ミルキが外出するなんて事例は10年前に1度あったきりだ


そりゃあAも気になるだろうね


「親父、打ち合わせだけど時間ずらせないかな


今からちょっと2人で出かけるからさ」


―――構わん


改めて連絡しよう―――


「おっけー


じゃあね」


この状態では仕事もままならないはずだ


「A、気になるなら行くよ


オレも気になってたんだよね」


彼女の腕をとり歩き出す、途端にAの顔が明るくなった


『10年っていったらもう全然違うし、流石のミルキでもやっぱり不安だと思うの


しかも女の子に会うんでしょ


いい子だといいんだけど』


今までとは打って変わって口が止まらない


「わかったわかった


ただし、尾行するだけ


ある程度見たら帰るからねA


もうわかってると思うけど、明日は仕事でしょ」


・・・もう既に聞こえていない


家族のことになると大概こうだ


キルが出ていった時、彼女が目覚めていたらどんな反応をしただろう


俺の力になってくれただろうか


それとも・・・


『見つけた』


待ち合わせ場所は駅前だったはず


ミルキは緊張しているのか、ポテチをバリバリと食べながら辺りを見回していた


「居ないね、相手の女」


『うん』


もう時間はとっくに過ぎている


『あっ、ミルキが』


Aの声に弟の方を見てみれば、そこには赤茶色の髪の女性がセーラー服を着てなにやら突っかかっている


幸い2人は直ぐに離れたが


Aは今にも彼女を殺しに行きそうな勢いだ


「A、殺気しまって


2人にバレるでしょ」


そもそも通行人の数がこころなしか減ってきている気さえする


ミルキも帰ろうとしているのかイライラした様子で新しいお菓子の袋を開けている


「オレたちも帰ろう、A


・・・あれ」


先程まで彼女がいた場所には何故か


セーラー服を着た赤茶のショートヘアの女性


そう、ミルキに突っかかっていたあの女だ


「あのー、もしかしてミルキさんですか・・・?」

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作者名:みこ | 作成日時:2022年7月12日 12時

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