ゾル家の眠り姫2【イルミ】 (ページ3)

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まずは家中のカメラを破壊する必要がある

私の位置を把握されてしまっては捕まえるどころか見つけることすらままならない

キッチンとダイニング

私の部屋とイルミの部屋

弟達の部屋、父さんの部屋

とにかく全部

改めて円を展開する

家の中に3人分の気配

外に1人

弟2人は部屋にいるはずだ

もう1人はランドリールームか

これは母さんだろう

じゃあイルミは・・・

『外にいる』

コツコツと靴を鳴らしながら外へ向かう

その手では、作りたてのクナイがクルクルと回る

手に入れたばかりの武器はその手に慣らすようにAによって舞い踊る

幸い、ナイフを使うためクナイを扱うのも苦ではない

その上ナイフと違って両刀で、丈夫だ

『やっぱり便利ね』

程よく重みがあって、投げても良さそうだ

これならイルミの針にも対抗できるか

ここからは、きっとあの頃の訓練と一緒だ

大人になった私達

長いこと眠っていた私と、その間もずっと仕事をこなしていた片割れ

どちらが早いか

どちらが強いかなど一目瞭然だろう

だから

どこまで出来るか

どこまで食らい付けるか

試してみよう

イルミなら、どこに隠れるだろう

『私なら

出入口(ここ)がギリギリ見えるところで

ここからは死角になっていて

ギリギリ私の攻撃が届かなそうな距離感のところ』

少し離れた木の上に3ヶ所ほど条件が合うところがある

３本

思い切り力を込めてクナイを投げる

見事に狙った木には刺さるが、鳥が飛んで行っただけ

そんなに簡単ではないことくらい分かっている

相手はイルミなのだ

小さく溜息をつくと、木に刺さったソレはそのままにその場を離れた