眠リノ森～『全て』の守護精と『花』の守護精～ (ページ38)

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『ー』の守護精ページ38

ＮＯ side

コウタたちが『花』の木へ帰るのを見送る『全て』の守護精

その物陰である男が隠れていた

リュウタロウ「はぁ…」

リュウタロウである

リュウタロウは黒い手袋の上から右手を強く握った

リュウタロウ「なんで…『全て』の守護精に偽りの姿を当てはめたのに…」

リュウタロウは悔しそうに呟く

そしてそのままどこかへと歩いていった

着いた場所は空き室

そこに入り込む

リュウタロウ「…やっぱり」

その部屋は綺麗に片付けられていた

ただ、1枚の写真を残して

リュウタロウはその写真を手に取る

2人の男の子が満面の笑みでピースサイン

そしてその間には母親らしき女性が優しい笑みを浮かべていた

リュウタロウ「…僕がどう頑張っても母様が見ているのはお兄ちゃんだけなんでしょ」

リュウタロウは写真を握りつぶす

ユウヤとジュンタの会話に出てきたリュウタロウ

それは…彼の過去であった