ねむれる王子とおめざ姫

三 ページ3

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「 急げ―！ 」


「 ハイハイ 」



樹がこぐ自転車の後ろに立ち乗りする瑠


チャリ二ケツは道路交通法違反ですが、そんなのお構いなしです



「 おら、降りろ 」


「 ありがと♪ 」



駅に到着しました


ここから瑠は高校への、樹は専門学校への電車に乗ります



「 やっぱ、おまえ太ったぞ 」


「 はい？？ 」


「 ペダルこぐのしんどい 」



口は災いの・・・


ドカッ！


ほら見なさい


怒った瑠のつま先が樹のスネに命中です



「 ってーな 」


「 だから太ってないってば！ 」



ああ、また ”Mouth fight” が・・・


と思った瞬間



「 それってさ、樹の体力落ちたんじゃね？ 」


「 ああ？ 」


「 俺よりおっさんだし？ 」


「 ２こしか違わねーぞ 」


「 けど俺まだ１０代だし？ 」



どこから現れたのでしょう？


” 口戦 ”の相手が瑠から彼になりました



「 おまえ生意気だぞ、慎太郎 」


「 樹に凄まれても怖くないけど♪ 」



へへッて笑う姿はやんちゃな印象です
　


「 ねえ慎ちゃん、電車来ちゃう！ 」


「 ヤベッ、瑠行くぞ 」



瑠の手を掴み、慎太郎は改札へダッシュします



「 いってら〜 」



数分遅い電車に乗る樹は、余裕で手をヒラヒラ


改札を走り抜ける瑠が、一瞬だけ樹を振り返ります


樹もそれに気づいて


瑠の前を走る慎太郎も振り向いて


３人の瞳が交差するのです





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