十 ページ11
*
「 一応、礼は言う。 じゃあな、慎太郎」
「 棒読みで言われても嬉しくねーよ!! 」
悪態をつく二人に視線が行ったり来たり
瑠が大きな目をパチクリさせてます
「 瑠、家に戻るぞ 」
「 う、うん。 おやすみ、慎ちゃん 」
「 おう! 明日な 」
ブンブン♪
・・・と
音が鳴りそうなくらい元気に腕を振って、
慎太郎がその場を後にしました
「 食え 」
家に入るなり、テーブルに前に座らされた瑠
目の前に出てきたのは・・・
「 ティラミス? 」
「 おまえ、この前食いたいって 」
「 覚えててくれたんだ 」
他愛もない会話での一言を・・・
「 ・・・あれ? これをコンペに出すの?
披露宴のデザートには合わない気がするよ 」
「 バーカ。 これは瑠の為に作った 」
「 えっ? コンペの試作品は? 」
「 今日は作業場の設備の確認とレシピの相談だけ。 あいつらすぐ帰ったんだぞ 」
「 そうなの? 」
「 ああ、だから寄り道しないでサッサと帰って来いって
おまえ、佐々木を避けるために慎太郎ん家に行ったんだろ? 」
「 うっ・・・バレタ? 」
「 バレバレだっつうの
けど安心しろ。 佐々木は優吾とつき合ってるから 」
「 ええぇぇっ? 」
「 驚きすぎ。 もう俺に興味ないから瑠にも嫌がらせしないだろ 」
「 良かった 」
樹の手作りティラミスをパクリ
「 おいしい〜♪ 」
「 ぶっ! やっと笑いやがって・・・ 」
ポンポン♪
瑠より一回り大きな樹の手が優しく頭に触れます
「 樹、ありがとう 」
「 ああ、大事な妹が元気になるならこれくらい 」
樹の言葉で、瑠の心に何かが刺さりました
「 俺が瑠を守るよ 」
「 “ ダイジナイモウト ”だから? 」
「 ・・・おう 」
樹の気持ちが嬉しいはずなのに痛がる心
瑠にとって樹の言葉は
甘いのにほろ苦くて・・・
まるで
口の中に広がっているティラミスのようでした
*
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姫保(プロフ) - ありがとうございます。本日天使の続編アップしました。読んでいただけると嬉しいです。 (2015年11月10日 1時) (レス) id: 29b0e5addf (このIDを非表示/違反報告)
NONAME(プロフ) - 完結おめでとうございます。次回作も楽しみにしています(^o^) (2015年11月7日 11時) (レス) id: b828b2251f (このIDを非表示/違反報告)
姫保(プロフ) - ?:/ 京本 ちひろ .。さん» ありがとうございます!! (2015年11月7日 9時) (レス) id: 29b0e5addf (このIDを非表示/違反報告)
?:/ 京本 ちひろ .。(プロフ) - 姫保さん» 完結おめでとうございます! (2015年11月7日 9時) (携帯から) (レス) id: 82e041bd6d (このIDを非表示/違反報告)
姫保(プロフ) - NONAMEさん» 挿話・2をアップできたのでやっとお返事できます。そうなんです、びっくりさせてごめんなさい。終わりまでもうすぐです( `ー´)ノ (2015年11月7日 0時) (レス) id: 29b0e5addf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姫保 | 作成日時:2015年8月28日 21時