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「何泣いてやがる」
『・・・・っないてない』
「っは、デクの野郎には言えて俺には言えねーのかよ」
『なにが・・・？』
「とぼけんな、泣いてる理由だ 誰にやられたんだよ」
ん！と大きめに声を出して指をさせば意味が分からないという顔をする
『勝己君にやられた！』
「何もしてねえ！」
『何もしてないをしてる！』
「意味わかんねぇこと言ってんじゃ・・・ねぇよ」
『ホラ、してるんじゃん』
「うるせぇ」
うるさくない、うるせぇうるさくないの言い合い、涙が落ち着いた頃にそっと話しかける
『この間は、叩いてごめん・・・だけどあんな事言ってほしくない』
「ああ」
『叩いたのは、悪いと思ってる、けど怒ってもいるよ私は』
借りっぱなしのマフラーに顔を埋めるとぐいとそれを引っ張られる
「マフラーに顔つけんな」
『別にいいじゃん、借りてるの私なんだし』
「うるせぇ、それならこっち使えや」
そう言ってマフラーを奪ったと思ったら自分のネックウォーマーを押し付けてくる
『それ捨てたらダメだからね』
「言われなくてもわかってらぁ」
少しの沈黙
「・・・俺も悪かった」
『うん、もう出久君に意地悪しちゃだめだよそれと出久君にも謝るんだよ』
「お前は俺の母親かよ出久にはあやまんねぇ」
『なんで！」
「テメェは少しぐらい静かにできねーのかよ」
俺のサイドキックになるんだろ、そうやって頭を引き寄せては耳元で囁かれた
当たり前でしょと答えればならいい、とだけ返される
泣いたせいか何故かは分からないがずっと自分の顔が熱い
それに、勝己君は胸がずっとバクバクいってるのはなんでだろうと分からない事だらけだった
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作者名：ねんねこ | 作成日時：2023年10月27日 9時
