【爆豪】相棒になりたいッ！ (ページ3)

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時は過ぎ中学にあがる頃だった
私がまだ幼いときに助けてくれた少年は──

「あ、そんなにヒーローにつきてえなら・・・効率いい方法があるぜ

来世は個性が宿ると信じて屋上からのワンチャンダイブ！」

そう聞こえたときには体が動いてた
バチンと教室に響く音

『さいってい！！！』
「テメェ・・・犬っころ・・・ッ！」

「い、いいんだ！白犬さん！大丈夫だから！」
「フンッ」

鼻で笑って教室を出ていくのがかつて私が相棒にしてと頼んだ
私のヒーロー、現いじめっこの勝己君だった

『あ、一緒に探しにいこ！すぐ見つかるよ！私鼻いーんだ！知ってるでしょ？』
「あ、ありがと白犬さん」
『Aちゃんってよんでよ！前見たいに』

幼稚園の頃だった、引っ越してきた直後にあったリボンの事件から私が入った幼稚園には勝己君と出久君が居て、そこで仲良かったはずだった

「あ、ああ、うん・・・・」
『嫌だった・・？』

私の感情は体に現れやすい
耳はたれしっぽが下がっていると自分でも感じながらこれじゃ押し付けてるだけだと一生懸命自分でしっぽを抱きあげる

「ち、違うんだ！僕こんなだし・・・ははっ個性、ないのにヒーロー夢みて・・・馬鹿みた」
『バカじゃないよ』

鯉達が食べようとする出久君の大事なノートを拾い上げてハンカチで拭いて渡せばぽかんとした顔をする出久君

誰もが個性無しじゃヒーローなんて無理だと言うんだ
一人だって味方がいても、背中をおしたっていいんじゃないかってそう伝える

『それにね！なんだか、私にはわかるんだ！』
「なにが分かるの？」
『出久君はね、きっとヒーローになるよ』

私の勘はよく当たるんだと言えば噴き出して笑う出久君

「あ、ごごごごめん！笑うつもりじゃなかったんだけど・・・」
『久しぶりに出久君の笑った顔見れてうれしい！』

思わず抱き着けば慌てる出久君が面白くて、お互い笑いあってればすぐに時間はすぎてった

『じゃあ、私こっちだから！』
「うん、ありがとう！じゃあまた」
『ヒーロー！一緒になろうね』

一瞬驚いた顔をして、もう一度力強くうんと頷く出久君に嬉しくてたまらなかった

＿＿＿

幼馴染のAちゃんがヒーローになると言ってくれた
きっと、慰めのつもりだろうと力なく頷いた、

僕の肩にそっと肩を預けるAちゃんが
"将来の為のヒーロー分析No.13"のページをゆっくりとめくっていく彼女の指に吸い込まれるように一緒に目をやれば
僕の背中を押すようになれるよとだけ再度呟いた