痛いの痛いの飛んでいけ【男主】

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誰かが話す声が聴こえる。
瞼を刺激する太陽の光に顔を顰めながら徐に目を開く。


「まぶし……」
「──起きた？おはよう」
「ぁ、……？たけうち、？」
「そう、竹内〜。まだぼんやりしとるな」
「……」


玄関の方から歩いて来た竹内に「声ガラガラや」と笑いながら髪を撫でられる。


「何でお前ここに、」
「あー。吉野とバトンタッチした、から？」
「よしの、……吉野？！」
「おお、目ぇ覚めたな」


吉野、の言葉に浮上した意識。
身体を起こそうと腕で体重を支えるが、思うように機能してくれない。
竹内に諭され身体を寝具の上へ戻す。


「A今日出番無いやろ。そのまま寝てなさい？」
「……そうする」


吉野はと言うと竹内と入れ替わりで家を出たらしい。
ふと携帯の通知に目をやるとメッセージが届いているのが分かった。

__________

吉野朝会えんくてごめん!!!
竹内が一日オフやから頼ってくれ!!!


__________


「あ、そうや。飯適当に買ってきたから後で食べような」
「ありがと、折角のオフだろうに付き合わせて悪いな」

「いや、それは全然。寧ろ嬉しい」
「え？」
「何その顔、笑 俺だってAのこと独り占めしたかったよ。」


眉を下げてしどろもどろに話す竹内。


「……顔赤」
「そこはツッコまないで。……A。モヒート解散して今までと違う生活になってしんどいのは分かるけど、今こそ自分のこと大切にしないと壊れちゃうよ？」


「ごめん、」
「別に謝らんでも……昨日泣いたやろ。目ぇ赤い」
「……」
「事情言いたくないなら言わなくて良いし、俺も聞かない。その、なんだ。ゲームでもするか？」
「……え？」


説教を食らう覚悟で耳を傾けていたが、間の抜けた提案をする竹内に思わず聞き返す。


「げ、ゲーム？」
「おん。いや正直俺もAに触れたいのは山々よ？でも連日あん人らに付き合ってたらキツイやろ。だからゲーム」


鞄からゲーム機と数本のソフトウェアを見せて説明をしてくれる竹内。


「……俺、お前のそう言うところ尊敬する。好きだわ……後、飯食おうかな」
「えっマジ？よっしゃ！」


「Aが好きな物買って来たからな！」と豪語して笑うこいつの厚意に今日は1日甘えようと思う。

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