痛いの痛いの飛んでいけ【男主】

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モヒート陣川主催
「来夢A大好きライブvol.3」
トークテーマくじ引きコーナーより

ゲスト…めぞん／軟水



その名の通り、ランダムに引かれた紙に書かれたテーマに対してトークしていくコーナー。
ゲストの4人はスタッフさんが用意してくれた椅子にぞろぞろ座り始める。

引いた紙に記されたのは、〈結婚について〉。


「Aくん……こんなの引いたらお客さん皆帰っちゃうよ」
「何故」
「Aくん大好きな皆さんが集まってるんだもん、悲しんじゃうかも」

「何か言われたら俺が戦うからAは気にせず好きなだけ喋って良いよ」
「吉野、お前……ッ！」
「死亡フラグ立てんな」


冗談はさておき、テーマの変更はせず話を進めることになった。


「Aくん結婚願望ある？」
「無いと言ったら嘘になる。が、相手が居ない以上はどうにもな。先に言いますけど、俺は神保町所属メンバーになってから誰とも交際していません」
「あ、そうなんだ。皆Aのこと大好きなのに」

「なんだろうな、自分で何でも出来るから釣り合わないって振られた過去がある」
「あー……」

「皆揃ってあーって。怖い反応」
「隙がないと近寄りづらいみたいな感じかな。俺はそこもめちゃくちゃ好きだけどな」
「俺もA好き〜何なら俺と結婚せえ。Aが作るご飯美味過ぎる」
「は？するなら俺とやろ。異論は認めない」


吉野も大川内も、俺のことが好きなのは良いが、客席を騒つかせるな。そしてお客さんも騒つかなくて良い。


「Aくんはさ、俺様感あるのが良いよねっ。誰よりもAくんの隣に居る時点で相方の俺が勝ちね」
「勝ち負けの話か？」


意気揚々と話し始める相方の陣川 爽。
話す度に揺れる金髪が眩しい。


「そもそもモヒートって陣川がAのこと口説いて組んだやろ？」
「うん、そうだよ。こんなイケメンがお笑いサークルに居るだけでも異質だったんだよ。その上面白かったらさ、そりゃ組みたいよね」
「居るだけでプラスやもんな……羨ましいわ、」

「俺はつるまるの愛らしさが羨ましいけどな」
「……そうかぁ？」


静かに話すつるまるの横にしゃがみ込むと、反対側に座る原に頭を撫でられた。何でだよ。


「Aは結婚しないって話でまとめて良い？」
「何も良くねぇ。けどまあ、ここに居る皆がずっと俺を好いてくれてんなら、それで構わない」


そう言うと静まり返る会場。
唯一、原が俺の頭を小突く音だけが聞こえた。

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