白い君に映るもの【ヒロアカ】 (ページ8)

今日:6 hit、昨日:3 hit、合計:694 hit

07 ページ8

耳朗side

着なれない制服を着て憧れだった雄英に登校した。
ウチには、やらなければいけないことがある。

受かったであろう狐の子を探すことだ。

試験場に入ったばかりの時には狐はいなかったはずだ。
いたら、あんなに大きいから目立つに決まっている。

あの桜吹雪の時に狐になったのなら
今は人の姿をしているはずだ。

こんなことを思いながら1-Aの扉を開けると........

息を飲んだ。
窓側に座っているヤツがあまりにもキレイだったからだ。

男物の制服から少し覗く白く透き通った肌。
白い髪は日に反射し、
左目は髪で隠れているが、隙間から覗く金色の目が美しく、
右目は、赤く独特の雰囲気を漂わせている。

そいつは確か...

「ねぇ、」
そいつは、赤と金色の目をウチに向けた。

「あなたの、試験会場に狐の子いなかった？」
そいつは目を少し細めた。

『それ僕。
　君、覚えてる。怪我した子でしょ。』

素直にいって覚えててくれて、嬉しかった。

「そう。あの時は、助けてくれてありがとう。
　ウチ、耳朗響香。」
『流A。』
「Aね。またあとで。」

Aは、コクリと頷くとまた無表情に窓の外を眺めだした。